車検切れの自動車税種別割を止める方法とは？一時抹消・永久抹消の手続きを解説

自動車税種別割は車検切れの車に対しても課税されるため、車に乗る予定がないときに不要な税金を支払い続けることは避けたいものです。また、車検が切れているから自動車税種別割は払わなくてよいと誤解している場合は、延滞金が発生する可能性があります。

この記事では、車検切れの車における自動車税種別割の課税のルールや、税金の支払いを止める方法について紹介します。車検切れの状態でもしっかりと手続きを行えば、車に乗らない期間の自動車税種別割の支払いを止められるので、適切な対応を心がけましょう。

車検切れでも自動車税種別割は課税される

自動車税種別割は、車を所有している限り課税される税金で、車検切れでも自動車税種別割は課され続けます。まずは自動車税種別割の仕組みと自治体が設けている課税保留制度、放置した場合に発生する延滞金などのペナルティーについて解説します。

車検切れでも自動車税種別割は課される

車検が切れても自動車税種別割は課され続けますが、これは自動車税種別割が車の所有の事実に対して課税される税金だからです。運輸支局に登録されている車を所有している限り、その車が車検切れで公道を走れない状態であっても、毎年自動車税種別割を納める義務があります。

この自動車税種別割とは納税の事情が異なるのが、自動車重量税です。自動車重量税は車検時に支払う税金であるため、車検を受けない限り支払いは発生しません。車検切れの車は公道を走行できないため、車検を受ける機会がなく、結果として自動車重量税の納付義務も生じないという論理です。

このように、同じ車に対する税金でも、課税の仕組みは異なります。車検切れの車を所有し続ける場合は、自動車税種別割だけは引き続き発生することを理解しておく必要があります。

自動車税課税保留制度が適用されるケースがある

車検が切れた車でも原則として自動車税種別割は課税されますが、一部の都道府県には自動車税課税保留制度が設けられています。

この制度は、車検切れの状態が長期間続く車を「使用されていない」と判断し、自動車税種別割の課税を一時的に保留するものです。車が被災して今後は使用できないようなケースで適用される場合があります。

ただし、これはあくまでも「保留」であり「免除」ではありません。

この制度は全国一律ではなく、都道府県によって適用の有無や条件が異なるので注意が必要です。軽自動車の場合は市区町村により対応が分かれるため、住んでいる自治体への確認をおすすめします。

自動車税種別割は滞納すると延滞金が発生する

自動車税種別割の納付期限を過ぎると、翌日から延滞金が発生します。この延滞金は日数に応じて加算され、納付期限の翌日から1か月以内は年2.4％、それ以降は年8.7％という高い利率で計算されるため、早めの対応が必要です（2025年4月時点の情報）。

さらに、督促状を無視して滞納を続けると、車や給料などの財産が差し押さえられる恐れもあります。

また、車検時には自動車税種別割の納税証明が必要なため、滞納している状態では車検を受けることができません。車検切れの車を所有したまま自動車税種別割を放置することは、将来的に大きな負担を生み出す可能性があります。

外部サイト

『税金の支払い|東京都主税局』

関連ページ

『自動車税種別割を滞納・未納でも廃車に出来る？2年間以上の滞納の場合は納税まで廃車手続きができない』

車検切れの車の自動車税種別割を止める方法は？

車検切れの状態でも税金の支払い義務は続きますが、止める方法は2つあります。

• 一時抹消登録または自動車検査証返納届
• 永久抹消登録

これから将来的に車を再利用する可能性がある場合と、二度と使わない場合で選ぶ手続きが異なるため、自分の状況に適した方法を選びましょう。

いずれ使う予定がある場合は一時抹消登録

将来的に車を再利用する可能性があるなら、一時抹消登録の手続きが最適です。車のナンバープレートを返納して公道走行ができなくなる代わりに、車両保有に関わる税金（自動車税種別割や自動車重量税）の課税が停止されるというメリットがあります。

車を手元に保管できるので、長期出張や入院など一時的に使用できない状況でも、将来再び使いたい場合に便利です。

軽自動車の場合は自動車検査証返納届

軽自動車の一時抹消登録に相当する手続きは、自動車検査証返納届です。普通自動車の一時抹消登録と役割は同じですが、名称や提出先が異なります。

手続きには自動車検査証とナンバープレート、自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書（軽第4号様式）、350円の手数料が必要です。申請書は軽自動車検査協会のホームページからダウンロードするか、窓口で入手できます。

自動車検査証返納届の手続きは軽自動車検査協会で行い、再び使用する場合は、改めて中古車の新規検査を受ける必要があります。

関連ページ

『返納証明書とは？自動車検査証返納証明書の詳細とその取得方法までご紹介！』

二度と乗らない車なら永久抹消登録

二度と使用しない車の場合、永久抹消登録 が最適な選択肢です。この手続きは車両を完全に解体し、道路運送車両法上の登録を永久に抹消します。一時抹消登録と異なり、再び公道を走ることはできなくなる手続きです。

永久抹消登録を行うには、まず自動車リサイクル法に基づく許可を受けた業者に車の解体を依頼する必要があります。解体が完了すると業者から「移動報告番号」と「解体報告記録日」が通知されるので、これらの情報と 車検証や印鑑証明書などの必要書類 を用意すると手続きが可能です。

永久抹消登録が完了すると、申請日から自動車税種別割の課税が停止されます。ただし、それまでの未納分については支払い義務が残るので、廃車を決めたらすぐに手続きを行うことが大切です。

関連ページ

『永久抹消登録の必要書類とは？ケース別の手続きを詳しく解説』

車検切れの車の自動車税種別割を止める手続きのやり方

所有している車検切れの車に課される自動車税種別割を止めるには、適切な手続きが必要です。ここでは、一時抹消登録と永久抹消登録の具体的な手続き方法について見ていきましょう。

一時抹消登録の手続き

一時抹消登録の手続きは、次の書類を準備し、管轄の運輸支局で申請を行います。

• 自動車検査証
• 印鑑登録証明書（発行から3か月以内のもの）
• ナンバープレート
• 実印など

運輸支局では、一時抹消登録申請書（OCRシート第3号様式の2）と手数料納付書に記入し、350円分の印紙を添付した状態で提出します。

これらの書類を提出し、手続きが完了すると「登録識別情報等通知書」が交付されます。これが一時抹消登録証明書なので、大切に保管しておきましょう。

一時抹消登録を行うと、普通自動車の場合は手続き以降の残月数分の自動車税種別割が月割りで還付されるメリットもあります。また、長期間使わない車でも所有したままにできるため、再び使いたくなった際に復活させることが可能です。

関連ページ

『自動車の一時抹消登録とは？永久抹消との違いや手続き·必要書類·費用を解説』

永久抹消登録の手続き

永久抹消登録の手続きは、車の解体処理を行うことが前提です。次の書類を用意して管轄の運輸支局に申請します。

• 自動車検査証
• ナンバープレート
• 所有者の印鑑証明書（発行から3か月以内）
• 実印
• 解体報告記録日と移動報告番号の控え

申請書類にはOCRシート第3号様式の3を使用し、所有者情報を正確に記入する必要があります。車検の残存期間が1か月以上ある場合は、自動車重量税の還付申請も同時に行えます。ただし、手続きは原則として、解体後15日以内に完了しなければなりません。

関連ページ

『車検切れした車の処分は？所持するリスクや廃車費用を解説』

車検切れの車に課せられた自動車税種別割は早めに納付しよう

自動車税種別割の未納があると車検が受けられないだけでなく、延滞金も発生し、さらには財産の差し押さえにまで発展する可能性もあります。トラブルを回避するためには、適切なタイミングで納税や廃車手続きを行いましょう。ここでは、自動車税種別割の未納に関する注意点を紹介します。

支払いを完了しないと車検は受けられない

自動車税種別割の納税は、車検を通すための必須条件です。運輸支局や自動車検査登録事務所では、車検時に納税状況を電子的に確認できます。そのため、自動車税種別割や延滞金に未納がある場合、車検そのものを受けられません。

2015年4月からは、原則として納税証明書の提示が省略可能になりました。ただしこれは、納税が完了していることが前提です。

納税後、システム上で確認できるようになるまでには3営業日~2週間、場合によっては2か月かかります。納付直後に車検を予定している場合は、念のため紙の納税証明書を用意しておくことがおすすめです。

廃車する場合も自動車税種別割の未納分は支払いが必要

車を廃車にしたからといって、すでに発生している自動車税種別割の支払い義務がなくなるわけではありません。廃車手続きは陸運局が管轄し、自動車税種別割は自動車税種別割事務所が管轄する別の制度です。

毎年4月1日の時点で自動車を所有していると、その年度の自動車税種別割が発生します。そのため、例えば5月に廃車手続きを完了させても、その年度の自動車税種別割は支払わなければなりません。ただし、普通自動車の場合は、月割りで還付を受けられる可能性があります。

車検切れの車を所有している場合は、まず自動車税種別割の納付状況を確認し、未納分がないかを確認することが大切です。

車検切れの車の買取は廃車王にお任せ！

車検切れの車の処分について悩んでいる方は、廃車王の買取サービスの利用がおすすめです。廃車王なら車検切れの車も不動車も、ディーラーや中古車販売店では実現できない高価買取が行えます。ここでは、廃車王が提供する買取サービスの特徴を紹介します。

車検切れの車も動かない車も高価買取

廃車王は自社対応で廃車手続きや解体を行っており、ディーラーや中古車買取店のように解体業者へ依頼する中間マージンが発生しない体制です。そのため、解体費用が発生する車でも、ディーラーや中古車販売店では実現できない高価買取が可能となっています。

買取した廃車は、解体時にまだ使える部品はリユース部品として販売し、その他は鉄や銅などの資源として回収することで高価買取を実現しています。

廃車時の負担を軽減する3つの無料

車検切れの車や廃車を手放すときには、移動コストなどに不安を感じることがあるかもしれません。廃車王では廃車を手放しやすくするために、3つの無料サービスをご用意しています。

車の引き渡しは、可能な範囲でご指定の場所までお引き取りに伺っているため、自走ができなくてもご利用いただけます。積載車によるお引き取りの手数料は原則無料で対応しているため、お気軽にご相談ください。

また、廃車手続きの代行費用や車両引き渡し前のキャンセル手数料も無料のため、お気軽に無料査定で買取価格をお確かめください。

車検切れの車の自動車税種別割についてよくある質問

ここでは、車検切れの状態にある車の自動車税種別割についてよくある質問にお答えします。車検切れで乗れない車の自動車税種別割に関するお悩みを抱えているのであれば、前もって解決しておきましょう。

車検切れの車でも自動車税種別割はかかりますか？

車検が切れた状態でも自動車税種別割は課税されます。自動車税種別割は、毎年4月1日時点で登録がある車の所有者に対して課されるためです。

自治体によっては「自動車税課税保留制度」があり、一定期間車検が切れた状態が続いている場合に、課税が保留されるケースもあります。

車検切れの車の自動車税種別割を止める方法はありますか？

車検切れの車を将来的に再利用する予定がある場合は一時抹消登録、二度と使用しない車は永久抹消登録の手続きを行うことで、自動車税種別割の課税を止めることが可能です。ただし、それまでの未納分は支払う義務があります。

まとめ

車検が切れた車でも、所有している限り自動車税種別割は課税され続けます。税金を止めるには、一時抹消登録か永久抹消登録の手続きをしなければなりません。自動車税種別割を放置すると、延滞金や差し押さえなどのペナルティーが発生するため注意が必要です。

不要になった車の買取は、廃車王へご相談ください。公式サイト上のWebフォームやLINE、電話から無料査定の受付を行っています。