車のボディ素材は何でできている?車の素材がもたらす影響は?
車の基礎知識
車のボディに使われている素材は、燃費や安全性、乗り心地、そして車の価格まで、多岐にわたる影響を与えています。素材ごとの特性を理解することは、自分のライフスタイルやニーズに合った一台を見つけるために役立ちます。
この記事では、車のボディに使われている素材の種類と、それが与える影響を紹介します。加えて、車のシートの素材についても解説しますので、素材にこだわって車を選びたい方はぜひ参考にしてください。
目次
車のボディに使われている素材の種類

現代の自動車のボディには多様な素材が使用されており、各素材の特性が車の性能や価格に大きく影響しています。まずは、自動車のボディに採用されている主要な素材の特徴について見ていきましょう。
鋼板
鋼板は自動車ボディの主力素材として、現在でも広く採用されています。鉄を圧延して作られるこの素材は加工のしやすさが最大の特徴で、複雑な車体形状も精密にプレス加工が可能です。
従来は重量が重くなるという欠点がありましたが、近年では「高張力鋼板(ハイテン)」が開発され、薄くても従来と同等の強度を保ちながら軽量化を実現しています。コスト面でもアルミニウムなど他素材より優位性があり、補修やリサイクルの容易さも魅力です。
アルミニウム
アルミニウムは車のボディ素材として優れた特性を持っています。鉄と比較して約3分の1の比重しかなく、軽量でありながら必要な強度を確保しやすいため、車体の大幅な軽量化を実現可能です。
スポーツカーで採用されるケースが多く、ジャガーXJやアウディA8、ホンダNSXなどがアルミボディを採用した先駆的車種として知られています。
一方で、鋼板と比べて製造コストが高く、プレス加工も難しいため、採用は一部の車種に限られています。
カーボン(CFRP)
カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)は、炭素繊維と樹脂を組み合わせた先進素材です。鋼の約10倍の強度と約4分の1の比重を誇り、車体の大幅な軽量化を実現します。
NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の試算によれば、ボディフレームなどにCFRPを適用すると、1,380kgの車両が約30%軽量化できるとされています。
ただし、鋼の約10倍のコストと生産性の低さが大量採用に向けた壁です。近年は熱可塑性CFRTPという炭素繊維で強化された熱可塑性樹脂の開発が加速し、成形時間の短縮によって採用例が徐々に増えています。
外部サイトステンレス
ステンレスは、鋼板よりも頑丈でさびにくい特性を持つ車のボディ素材です。「クロムを10.5%以上、炭素を1.2%以下含む合金」で、表面に形成される不動態皮膜が優れた耐食性を実現します。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したデロリアンが採用していることで有名ですが、一般車に使われるのはまれなケースと言えます。その理由は、プレス成形が難しく、自動車の複雑な曲面を作るには大きな設備投資が必要なためです。
平面が多い電車には頻繁に使われますが、自動車への採用はコスト面で課題があります。強度と耐食性というメリットはあるものの、製造上の制約から大衆車への採用例は限られているのが現状です。
セルロースナノファイバー
セルロースナノファイバー(CNF)は、植物から抽出される次世代素材です。鋼の5倍の強度がありながら重量は約5分の1という驚異的な特性を持ち、車体の大幅な軽量化を実現できます。
京都大学を中心とする産学連携プロジェクトでは、CNFを活用した「ナノセルロースヴィークル(NCV)」を開発し、通常の車と比較して16%の軽量化と11%の燃費向上を達成しました。
日本は森林資源が豊富なため原料調達の面でも優位性があり、将来的には車のボディ部品に広く採用される可能性を秘めています。
外部サイト樹脂(ポリプロピレン)
樹脂(ポリプロピレン)は、低コストでリサイクルしやすく、成形の自由度が高い素材です。鉄板の絞りやプレス加工では難しい複雑なデザインも容易に作れます。
車のバックドアのアウターパネルやバンパーなどに使われる傾向があり、車の軽量化にも貢献しています。しかし、修理時は鋼板ように板金ができないため、部品のキズや割れには注意が必要です。
また、塗料がつきにくいので、PPプライマーを塗ってから塗装する必要があります。
車のボディ素材が与える影響

車のボディ素材によって、主に影響を受ける要素は次の4つです。
- 燃費性能
- 衝突安全性能
- 修理・メンテナンス
- 車体の価格
素材を意識して車両を選ぶ際は、何を優先するか考えることで、自分に合った素材が見えてきます。
燃費性能
車体の重量は燃費に密接に関わる要素です。自動車の重量が100kg軽量化されると燃費が約1km/L向上するというデータもあり、素材選択が燃費性能に大きく影響します。
例えば、鋼板製だった燃料タンクが高密度ポリエチレン製に換わることで、軽量化と燃費向上が実現します。
同じサイズの車でも使用する素材によって重さが異なるため、燃費を重視して車両を選ぶ際は、軽量化されたモデルを探すと燃費性能に優れている可能性があります。
衝突安全性能
車のボディ素材の選択は、衝突時の乗員の保護に直結する重要な要素です。高張力鋼板(ハイテン)は、軽量でありながら優れた衝撃吸収特性を持ちます。
アルミニウムは軽量ながら、適切な設計により高い衝撃吸収性能を発揮する素材です。一方CFRPは軽量かつ高強度で、衝突時の車室変形を最小限に抑えます。
現代の車は、フロントサイドメンバーやフロントピラーなどの骨格の部位で衝撃を吸収し、乗員空間の変形を防ぐ設計が主流です。メーカーはこれらの素材や設計を組み合わせることで、乗員を守る強固なキャビン構造を実現しています。
修理・メンテナンス
修理・メンテナンスに関しては、車のボディ素材によって大きな差が生じます。鋼板のボディは比較的修理が容易なのが特徴です。一方、アルミボディは専門的な技術と設備が必要となり、修理コストが大幅に上昇します。
高張力鋼板(ハイテン)は通常の鋼板より強度が高いため、薄くして軽量化できますが、アルミほど修理が難しくありません。CFRPは軽量で強度が高い反面、損傷した場合は修理ではなく交換が一般的です。
車体の価格
車体の素材は、購入価格にも直接的に影響します。同等グレードでも、鋼板製ボディ車とアルミボディ車では、アルミのほうが価格が上昇するのが一般的です。
カーボン素材を採用した高級スポーツカーになると、その差はさらに拡大します。しかしこの価格差には、強度や軽さの面で有利になるというメリットが伴っているのです。
車を選ぶときはシートの素材も確認しよう

シートの素材選びも、車選びにおける重要なポイントです。ドライブの快適さや車内の雰囲気を左右するだけでなく、メンテナンス性や耐久性にも大きく影響します。
ここでは、各シート素材の特性や長所・短所について詳しく見ていきます。
ファブリックシートの特徴
ファブリックシートは、多くの車に採用されている布素材のシートです。主な種類としては「織物ジャージ」「トリコット」「モケット」があります。
織物ジャージは経糸と横糸を交互に織り上げた素材で、さらっとした手触りが特徴です。近年の軽自動車によく使用され、比較的汚れが付きにくい性質を持っています。
トリコットはなめらかでつるつるとした素材で、通気性に優れていますが、運転中に体勢がずれやすいのが欠点です。
モケットはしっとりとした手触りの素材で、滑りにくく公共交通機関でも使用されています。製造コストが高いため、車では採用が減少していますが根強いファンがいる素材です。
ファブリックシートの最大のメリットは、扱いやすさと耐久性の高さです。小さな子どもがいる家庭には特に適しており、レザーに比べて安価で、通気性にも優れています。
一方、編み目に汚れが入ると取れにくいため、事前のカバー対策が重要です。高級感ではレザーに劣るという面もあります。
レザーシートの特徴
レザーシートは動物の皮を加工した素材によるシートで、高級感が最大の魅力です。主に「アルカンターラ」「セミアニリン」「ナッパレザー」の3種類が使われています。
アルカンターラは東レとイタリアの共同開発による人工皮革です。天然スエードの風合いを持ちながら耐久性や通気性に優れているため、高級車のシート素材として人気があります。
セミアニリンは高級車に多く採用される本革で、しっとりとした手触りが特徴です。派手なギラギラ感はなく、上品なマット仕上げがされています。
ナッパレザーは柔らかく薄めの本革で、革本来の風合いを楽しめる素材です。しかし、この革は本来の風合いを生かす加工をしているため、一般的な革に比べて耐久性はやや劣ります。
レザーシートの最大の魅力は他の素材では実現できない高級感ですが、長期にわたる使用により、ハゲやひび割れが生じやすいのがデメリットです。
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車のボディ素材についてよくある質問

ここでは、車のボディ素材についてのよくある質問と回答を紹介します。車の性能や燃費、安全性に大きく影響するボディ素材は、多くのドライバーにとって気になるポイントです。素材の特性を理解することで、より適切な車選びや修理の判断が可能となります。
車のボディに使われる素材には何がありますか?
車のボディには鋼板、アルミニウム、カーボン(CFRP)、ステンレス、セルロースナノファイバー、樹脂(ポリプロピレン)などの素材が使用されています。中でも鋼板は、安価で加工性に優れるため最も一般的です。他の素材は一般的に、コストが高めという点に課題があります。
車のボディ素材を選ぶ上での注意点は何ですか?
車の購入時には、予算と用途のバランスを考慮する必要があります。メンテナンス時は素材ごとの特性を理解し、さびや腐食などの対策が必要です。最も大きな差が出るのは修理で、素材によって修理の難易度や費用、時間が異なります。
まとめ

車のボディ素材には、鋼板・アルミニウム・カーボン(CFRP)・ステンレス・セルロースナノファイバー、樹脂(ポリプロピレン)など、多様な選択肢があります。
各素材はそれぞれ強度や軽量性などの特性が異なり、燃費性能や衝突安全性、修理のしやすさ、車両価格に大きく影響します。素材選びの際は、これらの特性を総合的に検討することが重要です。
また、シート素材もファブリックやレザーなどの選択肢があり、車選びにおける重要な要素と言えます。
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