ラジエーターの交換費用の相場はいくら?故障の原因や症状、延命策も解説
車の基礎知識
車のエンジン冷却システムの要であるラジエーターが機能しなくなると、最悪の場合には車が走行できなくなってしまいます。
ラジエーターの交換が必要になった場合は、国産車の場合だと3万円~10万円程度が目安で、外車の場合は10万円以上の交換費用がかかることもあります。
この記事では、ラジエーターの交換費用や故障の原因・症状、寿命を延ばすためのメンテナンス方法を詳しく解説します。加速時に異音が聞こえるようなラジエーターの故障が疑われるときは、早めに点検を行いましょう。
目次
【おさらい】ラジエーターとは?

ラジエーターは、車のエンジンを適切な温度に保つ上で重要な冷却装置です。エンジンが作動するとシリンダー内で燃料が爆発し、大量の熱が発生します。この熱を適切に放出しないとエンジンがオーバーヒートを起こし、深刻な損傷につながる恐れがあります。
エンジンから発生した熱を冷却水に吸収させ、その冷却水を冷やすというのがラジエーターの役割です。エンジン内を循環した高温の冷却水がラジエーターに送られると、多数の細い管とフィンを通過する際に外気と接触して冷却されます。
この冷却された水がポンプによって再びエンジンへと戻り、このサイクルを繰り返すことでエンジンの温度を一定に保つという仕組みです。
効率的な冷却のため、ラジエーターは通常、車のフロント部分の風通しの良い場所に設置されます。これは、走行時の風とファンの力を利用して冷却効果を高める狙いがあります。
ラジエーターが正常に機能しないとエンジンの出力低下や燃費悪化、最悪の場合はエンジンの全損につながる可能性があります。
ラジエーターが故障したらどうなる?

ラジエーターが故障すると、さまざまな症状が現れます。
- エンジンルームから冷却水の甘い匂いがする
- 水温警告灯が赤く点灯する
- 水温計が「H」を指す
ラジエーターが故障すると、エンジンの冷却機能が正常に働かなくなり、オーバーヒートの危険性が高まります。オーバーヒートとはエンジンの温度が異常に上昇した状態です。
オーバーヒートになると、エンジンが焼き付いて走行不能になるだけでなく、シリンダーヘッドのゆがみやガスケットの破損に繋がります。
ラジエーターの故障の初期症状として、水温計の針がH(高温)側に振れたり、エンジンルームから冷却水の甘い匂いがしたりします。
放置すると症状は悪化し、エンジンルームから水蒸気が出たり、焦げ臭いにおいが発生したりすることもあるので、適切な対処が必要です。
その他にも、冷却水の減りが早い、エンジン温度が上昇する、白煙が発生するなどの兆候があれば、専門家へ早めに相談するとよいでしょう。
関連ページラジエーターの修理・交換にかかる費用はどのくらい?

ここからは、ラジエーターの修理・交換にかかる費用について詳しく見ていきましょう。故障の発見が早ければ部分的な補修で対応できる可能性があるため、修理費用が安く済むかもしれません。車種別の相場や修理方法による価格差を解説します。
ラジエーターの修理・交換費用の目安は3万円~10万円
ラジエーター交換の費用相場は、車種によって大きく異なります。
一般的な国産車の場合、部品代と工賃を合わせて3万円~10万円程度が目安です。軽自動車であれば比較的安く、高級車や大型車になるほど高額になる傾向があります。
ラジエーター本体の部品代は、ディーラーで純正品に交換すると10万円前後ですが、整備工場で新品の社外品(自動車メーカーが販売していない部品)を選べば5万円程度に抑えられます。工賃は作業の難易度によって変わり、フロントバンパーの取り外しが必要な車種では高くなる傾向です。
また、ラジエーターの一部分のみの修理なら、溶接修理で1万円~2万5,000円程度と、比較的安価に対応できる可能性もあるので、まずは見積もりを取るとよいでしょう。
外車は国産車に比べて費用が高くなる可能性がある
輸入車のラジエーター交換は、国産車に比べて費用が高くなるケースが多いと言えます。部品の調達に時間がかかることに加え、海外からの取り寄せが必要なことも多いためです。外車の場合、ラジエーター交換費用が10万円を超えるケースも珍しくありません。
輸入車の整備に使用する部品は、社外品を使うと取り寄せにかかるコストを削減できますが、保証が付いていない場合や品質が純正品と異なる場合もあるので慎重に判断することが大切です。
溶接などの修理だけなら安価な場合もある
ラジエーターに小さな穴や亀裂ができたというケースでは、必ずしも全交換が必要とは限りません。損傷が限定的であれば、溶接修理で対応できるケースもあります。溶接修理であれば、部品代が不要で工賃のみのため、1万円~2万5,000円程度と比較的安価です。
ただし、修理可能かどうかは損傷の状態によって異なります。経年劣化が進んでいたり、複数箇所に問題があったりする場合は、完全交換が必要になる可能性もあるかもしれません。
修理を検討する際は、信頼できる整備工場で状態を確認してもらい、溶接修理と交換のどちらが適しているか、長期的な視点も含めてアドバイスを受けることをおすすめします。
ラジエーターが故障する原因

ラジエーターが故障する原因は、主に4点です。
- 経年劣化
- メンテナンス不備
- 物理的破損
- 冷却水の機能不全
これらの原因を正しく理解し適切な対策を施すことで、高額なラジエーター交換費用を抑え、車の寿命を延ばせます。
経年劣化
ラジエーターは長年使用していると、経年劣化は避けられません。一般的に、交換時期の目安は軽自動車で6年~10年、普通車で8年~12年とされています。しかし、冷却水のメンテナンス状況によっては、通常よりも早くラジエーターの故障を招くこともあります。
経年劣化により生じる主な症状は、樹脂タンク部分の硬化と割れ、コア部分との接合部の緩みによる冷却水漏れです。また冷却水系統内に腐食やさびが発生し、ラジエーターの目詰まりを引き起こす場合もあります。
特に注意が必要なのは、ラジエーターだけでなく周辺部品も同時に劣化している点です。ラジエーターキャップは2年に1回が交換頻度の目安とされており、ゴム製のウォーターホースも硬化してくると漏れのリスクが高まります。
経年劣化による不具合は、日常的な点検で早期発見が可能です。
関連ページメンテナンスの不備
日常のメンテナンス不足も、ラジエーター故障の主要な原因です。冷却水の点検を怠ると、量が不足して冷却効率が低下し、オーバーヒートのリスクが高まります。特に夏場は冷却水の蒸発が早まるため、小まめなチェックが欠かせません。
冷却水が濁ったり茶色く変色したりしていれば、劣化のサインと言えます。LLCの場合、2年~3年、スーパーLLCの場合は、新車で走行距離16万kmまたは7年、それ以降は8万kmまたは4年での交換が推奨されています。
冷却水の交換費用は3,000円~7,000円程度で、専門業者に依頼することでラジエーター本体の交換という高額修理を未然に防げます。
また、日ごろからリザーバータンクの水位をチェックし、漏れや汚れがないか確認する習慣が重要です。
飛び石などによる破損
走行中の飛び石や小さな接触事故による外部からの衝撃も、ラジエーターが損傷する主な原因のひとつです。フロントグリルや保護パネルの隙間から飛び込んできた石や異物がラジエーターのフィンやチューブを直撃すると、冷却水が漏れ始める可能性があります。
特に飛び石リスクが高まるのは、高速道路や砂利道の走行時です。ラジエーターは他の部品と比べて物理的な衝撃を受けやすい、車の前面にあります。
飛び石によるラジエーターの損傷を防ぐには、前の車との車間距離を十分に保ち、砂利道での不用意な高速走行を避けることが重要です。また、保護ネットの取り付けも予防対策と言えます。
小さな穴であれば専用のシール剤で応急処置できる場合もありますが、あくまで一時的な対応です。走行中に冷却水の漏れを発見したら、早めに整備工場で点検を受けることをおすすめします。
冷却水の機能不全
冷却水の選択と管理は、ラジエーターの寿命を左右する重要な要素です。不適切な冷却水の使用は、ラジエーター内部の腐食やさびを促進し、深刻な故障につながります。
水道水だけを冷却水として使用すると、水に含まれるミネラル成分がラジエーター内部に沈着し、冷却効率を低下させます。また冷却水の混合比率が不適切だと、凍結防止や防錆効果が十分に発揮されません。
適切な冷却水管理のためには、メーカー指定のロングライフクーラント(LLC)という冷却水を使用することが大切です。メーカーによっては使用する製品を指定していたり、メーカー指定のLLCと他社製のスーパーLLC(より長持ちするもの)が混ざり合うことで性能を低下させてしまったりすることがあります。
冷却水は長期間交換せずに使用を続けると、添加剤の効果が薄れて冷却性能が低下します。定期点検時に冷却水の色や透明度をチェックし、濁りや変色が見られたら早めの交換がおすすめです。
ラジエーターの修理にかかる費用を安く抑えるには?

ラジエーター交換費用を安く抑えるための具体的な方法は3つです。
- 純正パーツや新品以外の使用を検討する
- 安く直せる業者を探す
- 修理費用が高く感じるときは買い換えを検討する
以下では各アプローチの詳細やメリット・デメリット、注意点などを解説します。
純正パーツや新品以外の使用を検討する
| 項目 | メリット | デメリット |
| 安価な社外品の利用 | 50%程度コストダウン | 製造元によって品質に個体差がある |
| リビルト品の利用 | 新品の50%~60%以下で購入可能 | 部品によって品質に個体差がある |
ラジエーターの交換費用を抑えるなら、純正品よりも安価な社外品やリビルト品の利用がおすすめです。社外品は純正品と比較して50%程度安く、同等の性能を享受しながらコストダウンできます。
さらに安く済ませたい場合は、中古品をきれいに清掃・修理して再生したリビルト品も選択肢です。リビルト品は新品の50%~60%以下の価格で購入でき、耐久性も一定期間保証されています。
ただし、社外品やリビルト品を選ぶ際は、信頼できるメーカーや販売店から購入することが重要です。安すぎる製品は品質に問題があるかもしれないため注意が必要です。購入時には保証内容も確認しておきましょう。
安く直せる業者を探す
| 項目 | メリット | デメリット |
| ディーラー | 技術レベルが高く修理の品質が安定している | 修理費用が高い |
| 整備工場 | ディーラーよりも修理費用が安い | 整備士によって価格や技術に差がある |
ラジエーターの交換費用を安く抑えるためには、複数の業者から見積もりを取って比較検討するのが効果的です。ディーラーと整備工場では価格差が大きく、同じ作業でもディーラーは純正品使用のため、整備工場よりも5万円程度高くなることがあります。
できれば3社以上の業者から見積もりを取り、総額だけでなく部品代と工賃の内訳も確認しましょう。見積もり依頼の際には、レッカー費用や代車の有無なども含めて、条件をそろえると正確な比較ができます。
地域の評判が良い整備工場は、適正価格で誠実な対応をしてくれることもあります。口コミサイトや知人の紹介なども参考にするのがおすすめです。
見積もりを複数取得することで、値引き交渉の材料にもなります。「他店ではこの金額だった」と伝えることで、価格を下げてもらえる可能性も高まるかもしれません。
ただし極端な値下げを求めると、部品の品質や作業精度に影響することもあるため、バランスを考慮した交渉が大切です。
修理費用が高く感じるときは買い換えを検討する
ラジエーターが破損してエンジンがオーバーヒートした場合、修理費用が数十万円に達するケースもあります。特に重度のオーバーヒートでエンジン本体にダメージが及んでいる場合、エンジン交換を含めた修理費用が車両価値を上回ることも少なくありません。
このような高額修理が必要となる状況では、修理と買い換えのコストパフォーマンスを比較検討する必要があります。車の年式や走行距離、今後の使用予定期間などを考慮し、総合的に判断しましょう。
不動車でも買取可能な専門業者に査定を依頼することで、修理費用と買取額を比較できます。修理費用が買取額に近いか上回る場合は、新しい車への乗り換えが経済的に合理的な選択肢です。
エンジンが壊れた車や不動車を売却する際は、ディーラーでの下取りを利用するのが難しいことがあります。廃車買取業者であれば買取できるため、高値で売れる売却先を探してみましょう。
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ラジエーターの交換についてよくある質問

ラジエーター交換に関するよくある疑問を改めて整理します。
ラジエーターの交換費用はどのくらいですか?
ラジエーターの交換費用は車種によって大きく異なりますが、一般的な国産車では工賃と部品代を合わせて3万円~10万円が相場です。純正部品を使うか社外品を使うかでも価格差があり、ディーラーと一般整備工場でも工賃に差が生じます。
ラジエーターの寿命はどのくらいですか?
ラジエーターが寿命を迎える交換時期の目安は、軽自動車の場合6年~10年、普通車の場合8年~12年です。
しかし、冷却水の交換を怠ると、ラジエーター内部で腐食や損傷が進み、目安よりも早い段階で故障を引き起こす可能性があります。ラジエーターの寿命を長く保つために、冷却水を定期的に交換しておきましょう。
まとめ

ラジエーターは車の冷却システムの要となる部品で、故障すると走行不能や深刻なエンジントラブルを招く存在です。交換費用は部品代と工賃で構成され、車種によって3万円~10万円程度と幅があります。
修理費用を抑えるには、社外品の利用や整備工場の比較検討が効果的です。また、定期的な冷却水の点検や交換により寿命を延ばせます。
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