車に起きる「ノッキング」とは？発生する原因や予防法を解説

車の運転中にエンジンから「カンカン」「カラカラ」「ガラガラ」といった普段とは違う異音が聞こえたり、その異音とともに車が大きく揺れたりするような感覚があったら、ノッキングが発生しているサインかもしれません。

ノッキングはエンジントラブルを原因とすることがあり、放置すると気づかないうちにエンジンに深刻なダメージを与えてしまう可能性があります。この記事では、車がノッキングを起こす原因やその予防法について詳しく解説します。

車に起きる「ノッキング」とは？

低速で走行している状態から、アクセルを深く踏み込んで急加速した際、エンジン内部から「カンカン」や「カラカラ」といった異音が発生することがあります。

この現象は、まるで何かをノックする（ものを打つ）ような音に聞こえるため、「ノック音」と表現されたり、「ノッキング」と呼ばれたりします。

ノッキングが続くと、エンジンにとって好ましくない状況を招く可能性があります。

もし低回転時に軽微なノッキングが一時的に発生する程度であれば、すぐに構造的な故障につながるわけではありません。

しかしながら、エンジンが高く回転しているときに起こるノッキングや、強いノッキングが起こるような状態では、ピストンやピストンリングが焼き付いたり、シリンダーヘッドのガスケットが破損したりするなどのトラブルを引き起こすことがあります。

車がノッキングを起こすときに考えられる2つの症状

車がノッキングを起こしたときは、主に次のような症状が現れます。

• 異音や振動
• エンジンの故障

これらはノッキングによるものとは限りませんが、異音や振動は一時的に治まることもあるため、違和感があるときは早めに修理業者へ相談しましょう。

異音や振動

ノッキングが起こっているときは、「カンカン」や「カラカラ」といった金属がぶつかるような振動音が生じます。

特にディーゼルエンジンにおいては、「ガラガラ」という、より不快に感じられる音として聞こえることがあります。

エンジンの故障

ノッキングが起こると、エンジン内部のガスケットが破損したり、ピストンやピストンリング、コンロッドといった部品が壊れたりする危険性があります。

最悪の場合、破損した部品がクランクケースを突き破り、穴が開いてしまうこともあります。その結果、エンジンオイルを周囲に巻き散らしてしまうことやエンジンが壊れてしまうこともあるのです。

車のノッキングが発生する主な原因と対策

車のノッキングが発生する主な原因として、ここでは次の4つを解説します。

• 不適切なオクタン価のガソリン使用
• ノックセンサーの故障
• エンジン内部へのカーボンの蓄積
• 燃焼室へのオイル侵入

それぞれの原因と対策について詳しく見ていきましょう。

不適切なオクタン価のガソリン使用

オクタン価は、車両走行中にエンジンがノッキングを起こしにくい度合いを示す指標です。数値が高いほど、ノッキングのリスクが低くなります。

ガソリンには、レギュラーガソリンとハイオクガソリンの2種類があり、日本の工業規格では次のように定められています。

ガソリンの種類	オクタン価
レギュラーガソリン	89.0以上
ハイオクガソリン	96.0以上

そのため、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを使用した場合は、オクタン価の不足によってノッキングが発生したり、エンジンの出力や燃費が低下したりすることが考えられます。給油する際は、車に適したガソリンを使用しましょう。

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ノックセンサーの故障

近年の車には、ノッキングの発生を検知して制御するノックセンサーが搭載されています。

これはエンジンから発生するノッキング特有の振動を感知し、ECU（エンジンコントロールユニット）に情報を送る装置です。ECUはその情報をもとに点火時期を自動的に調整し、ノッキングを抑制します。

しかし、ノックセンサー自体の故障や配線の断線が生じると、この制御機能が正常に働かなくなることがあります。

エンジン内部へのカーボンの蓄積

エンジンを長期間使用していると、内部には徐々にカーボン（燃料の燃えカス）が蓄積していきます。

ピストンヘッドに付着したカーボンが火種となり、スパークプラグが点火する本来のタイミングよりも早く着火するという異常燃焼が起こることがあります。

カーボンの蓄積は、ノッキングが起こる原因となるため定期的に取り除くことが大切です。定期的に燃料添加剤を使用すると、カーボンを除去できます。

燃焼室へのオイル侵入

エンジンの内部には燃焼室があり、燃焼室へのエンジンオイルの侵入を防ぐために、ピストンリングやバルブシールが使われています。これらの部品が摩耗したり劣化したりすると、漏れ出たエンジンオイルが燃焼室へ侵入してしまうのです。

このような現象を「内部漏れ」と呼び、ノッキングにつながる異常燃焼の原因になることがあります。

車のノッキングを防ぐためにできること

車のノッキングを防ぐには、適切なオクタン価のガソリンの給油や燃料添加剤の使用などの他に、次の2点が考えられます。

• エンジンに負担をかけずに走行する
• スパークプラグの点検と交換を行う

エンジンに負担をかけずに走行する

日々の運転操作は、少なからずエンジンへの負担が蓄積します。エンジンを酷使するような運転はなるべく控え、優しい運転を心がけましょう。

例えば、走り始める際や、低速で走行中に急にアクセルを強く踏み込むような、エンジンに負荷がかかる運転操作は、ノッキングを引き起こしやすい傾向があります。

また、エンジンへ与えるダメージを軽減するために、定期的にエンジンオイルの交換をすることも大切です。

スパークプラグの点検と交換を行う

ガソリンエンジンが作動する上で、欠かせない部品のひとつがスパークプラグです。これは、圧縮された空気と燃料の混合気をエンジンの燃焼室の中で着火させて燃焼を起こすための点火装置としての役割を担っています。

スパークプラグは劣化すると点火が弱くなることがあり、エンジン内部の燃焼室で未燃物質が増加しやすくなります。未燃物質が増えると異常燃焼が起こる原因になるため、定期的に交換を行いましょう。

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車のノッキングの修理費用は、燃料添加剤のように数百円~数千円程度で対応できるケースもあれば、エンジンの載せ替えが必要になり、数十万円の出費が発生するケースもあります。

そのため、費用対効果を考えたときには、修理よりも買い替えが向いていることもあります。ノッキングが直らない車の買取先をお探しの方は、ぜひ廃車王へご相談ください。

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車のノッキングについてよくある質問

ここでは、車のノッキングに関するよくある疑問にお答えします。車の異音でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

車のノッキングとはどのような症状ですか？

車のノッキングとは、エンジンから「カンカン」や「カラカラ」といった金属音が聞こえる症状です。特に低速走行から急加速したときに発生しやすく、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べて耳障りな「ガラガラ」という音がすることがあります。

車のノッキングを防ぐにはどうすればいいですか？

車のノッキングを防ぐには、車種に合った適切なオクタン価のガソリンを使用することが大切です。定期的なスパークプラグの点検・交換や、エンジン内部のカーボン堆積を除去する燃料添加剤の使用もおすすめです。

まとめ

車のノッキングは異音や振動が起こるだけでなく、エンジントラブルにつながる可能性があります。日頃から適切なオクタン価のガソリンの使用やスパークプラグの点検、優しい運転を心がけましょう。

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