車の構造変更とは?必要な手続き・費用・対象となる改造を徹底解説
車の基礎知識
愛車を自分好みにカスタマイズしたいと考える方は多いでしょう。しかし、改造の内容によっては「構造変更」と呼ばれる正式な手続きを行わなければならないケースがあります。
構造変更をせずに改造車を公道で走らせると、違法行為となり罰則の対象になる可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、構造変更が必要となる具体的な改造内容や手続きの流れ、かかる費用について詳しく解説します。構造変更を適切に行い、安全かつ合法的にカーライフを楽しむための参考にしてください。
【構造変更手続きの申請手数料】
| 普通自動車 | 2,600円 |
| 小型自動車 | 2,500円 |
| 軽自動車 | 2,300円 |
目次
車の構造変更とは?

所有している車を自分好みに改造したいものの、どこまでの改造なら合法なのか疑問に思ったことはないでしょうか。できれば改造後に違法として罰則を受けるのは避けたいものですよね。もし、違法改造とされた場合、原状回復が求められる可能性があるため、事前に確かめておきましょう。
車の構造変更とは、車の構造を安全基準内で改良することです。
構造変更の正式名称は、構造等変更検査です。車の外寸や重量、乗車定員や形状、排気量などを変更したときに手続きしなければなりません。これは単にカスタムを楽しむためだけではなく、公道を走る車が安全基準を満たしているかをチェックする重要な役割を担っています。
車には安全に走行するための保安基準があり、範囲内で認められた改造で構造変更の手続きを済ませていれば公道での走行が可能です。構造変更の手続きを終えると、車検証には「改」という文字が追加されます。これは、合法的な改造車として認められたことを示すものです。
構造変更の手続きの流れ
構造変更の申請手続きは、まず書類審査が行われ、次に実車検査という流れになります。書類審査に合格すると「改造自動車等審査結果通知書」が発行されるため、この書類と実車検査に必要なものを準備して、実車検査の予約を取りましょう。
予約日に車を持ち込み、検査ラインでさまざまな項目を検査してもらい、問題がなければ新しい車検証が交付されます。
構造変更の申請を忘れると「違法改造扱い」になる
構造変更の申請は任意ではなく、法律で定められた義務です。保安基準内の改造でも、適切な構造変更の手続きを行わなければ「違法改造」とみなされます。
違反が発覚した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられ、15日以内に整備を行い運輸支局へ車両を提示するよう命じられます。従わなかった場合、車検証とナンバープレートが没収されるという厳しい処分が科されます。
構造変更の手続きを行うと、その時点で車検の残り期間が無効になってしまいます。構造変更を計画する際には車検の残り期間も考慮して、最適なタイミングで行うことが大切です。
外部サイト構造変更が必要になるのはどのようなケース?

どのような改造が構造変更の対象になるのでしょうか。
- エアロパーツを付けるだけ
- シートを外すだけ
こういった改造だけでも手続きが必要になるのか、判断に迷うことがあるかもしれません。
ここでは、具体的にどのような場合に構造変更が必要になるのか、軽微な変更の場合の手続きについて解説します。
外寸・乗車定員・形状などを変更したとき
構造変更が必要になるのは、車の基本的な構造や性能に関わる改造を行った場合です。例えば、下記のような変更を行う場合は、構造変更の手続きが必要です。
| 項目 | 変更基準 |
| 外寸の変更 | 車の長さ:±3cmを超える変更 高さ:±4cm以上を超える変更 幅:±2cm以上を超える変更 |
| 車両重量の変更 | 小型自動車や軽自動車の場合:±50kgを超える変更 普通自動車や大型特殊自動車の場合:±100kgを超える変更 |
| 形状の変更を伴うもの | 8人乗りの車からシートを取り外して5人乗りに変更 車の屋根を切り取ってオープンカーに変更など |
軽微な変更の場合は手続きが簡素化されている
全ての改造が構造変更の対象になるわけではなく、軽微な改造であれば「記載変更」で済む場合があります。
記載変更は構造変更よりも手続きが簡素で、車検の残り期間が有効のまま維持されるのがメリットです。以下のケースでは、記載変更のみで手続きが済みます。
| 小型自動車・軽自動車の場合 | 全長+-3cm以内 全幅+-2cm以内 全高+-4cm以内・車両重量+-50kg以内 |
| 普通自動車・大型特殊自動車の場合 | 全長+-3cm以内 全幅+-2cm以内 全高+-4cm以内 車両重量+-100kg以内 |
構造変更するときに考えられるデメリット

構造変更にはさまざまなデメリットがあるため、慎重な判断が必要です。主なデメリットとして下記4点が挙げられます。
- 時間や費用の負担増加
- 売却時における価格の下落
- 税金の増加
- 利便性の問題
時間や費用の負担増加
- 費用:2,300円~2,600円
- 時間:1週間~10日程度
- 申請手数料は車種によって異なり、普通自動車で2,600円、小型自動車で2,500円、軽自動車で2,300円です(2025年4月時点の情報)。
しかし、実際の負担はこれだけではありません。構造変更の手続きは「書類審査」と「実車検査」の2段階に分かれており、書類審査には1週間~10日程度かかります。また、実車検査は予約が必要で、これに向けた準備も必要です 。
関連ページ売却時に価格が下がる
構造変更した改造車は、売却時に価格が下がる可能性があります。
これは改造車に対する一般的な需要が少ないためで、買取業者によっては断られる場合もあります。車の使用期間や将来の売却予定などを考慮して、改造の程度を決めましょう。
どうしても買い手がつかないのであれば、廃車ということになりますが、廃車はそう悲観的になることでもありません。廃車買取業者なら廃車を買い取ってくれるので、売却の買い手が付かない場合は検討しても良いでしょう。
関連ページ重量増加で税金が高くなる
構造変更によって車両重量が増えると、自動車重量税が高くなる可能性があります。座席の追加やリフトアップなどの改造で車両重量が増加すると、税金の区分が変わり、納税額が増える場合があるのです。
また、エンジンの載せ替えで排気量が増えた場合、自動車税種別割が高くなる可能性もあります。
【3・5・7ナンバーの自家用乗用車の税額の変化】
| 総排気量 | 令和元年10月1日以後初回新規登録車の税額 |
| 1L以下 | 2万5,000円 |
| 1L超~1.5L以下 | 3万500円 |
| 2L超~2.5L以下 | 4万3,500円 |
| 2.5L超~3L以下 | 5万円 |
| 3L超~3.5L以下 | 5万7,000円 |
| 3.5L超~4L以下 | 6万5,500円 |
| 4L超~4.5L以下 | 7万5,500円 |
| 4.5L超~6L以下 | 8万7,000円 |
| 6L超 | 11万円 |
(2025年4月時点の情報)
さらに、車の用途が変わる場合には、自賠責保険料も変更となる場合があります。改造を計画する際には、これらの追加コストも考慮に入れておくことが大切です。
改造車の維持に不便を感じる
構造変更を行った改造車は、維持の面でも不便を感じることがあります。大掛かりな改造を施した車は、一般のディーラーや整備工場で車検を受け付けてもらえないケースもあります。
例えば、オーバーフェンダーを取り付けて車体が大きくなった場合、通常の車検業者では対応してもらえないことがあります。このような場合、専門の改造車対応の整備工場を探す必要が出てきます。ユーザー車検という方法で車検を受けることも可能ですが、専門技術や知識が求められます。
構造変更のベストなタイミングは?

構造変更を検討している方は、いつ手続きをすれば最も効率的なのか疑問に思うかもしれません。
結論から言えば、構造変更を行う際の最も経済的なタイミングは、車検切れが近づいている時期です。
経済的なタイミングは「継続車検と同時」
構造変更検査を受けると、その時点から新たに2年または1年の車検期間が適用されます。これは、構造変更の手続きを受ける前の車検残期間とは関係ありません。
そのため、車検を取ったばかりの車を構造変更すると、残りの車検期間が無駄になります。車検の残り期間を無駄にしたくないときは、車検切れが近い時期に構造変更を受けることがおすすめです。
構造変更を計画している方は、車検証の有効期限を確認しておきましょう。
外部サイト車検が切れないように配慮が必要
構造変更の申請後、書類審査が通ったら実車検査となりますが、実車検査を受けるには車を陸運支局や検査場に持ち込む必要があります。
注意しなければいけない点は、構造変更の手続きの途中で車検が切れてしまうと、公道を自走できなくなり、移動手段を別途考える必要が生じます。
書類審査の進行状況によっては実車検査の予約日を調整するなど、柔軟な対応が必要になるかもしれません。車検切れになるとさまざまな不便が生じるため、余裕を持ったスケジュール管理が大切です。
関連ページ構造変更した車の買取は廃車王へご相談ください

構造変更した愛車を手放そうと思ったとき、「改造車は買取できない」と断られた経験をした方もいるのではないでしょうか。これはカスタムの好みや故障のリスクに対する納得感は人それぞれであり、客観的な価値判断が難しいことが原因として考えられます。
構造変更した車の買取をお考えの方は、廃車王の無料査定をご利用ください。ここでは、廃車王の魅力についてご紹介します。
無料査定で構造変更した車を売却できる
構造変更を行った改造車は価値観に個人差があるため、状態によっては売却しにくいことがあります。そのようなときは、お気軽に廃車王へご相談ください。廃車王では中古車も廃車も買取を行っており、車としての価値が付きにくい構造変更後の車の買取も可能です。
不動車や故障車の買取も行っています。廃車の過程でまだ使える部品や資源を回収し、リサイクルすることで収益化しているため、幅広い車両の買取が可能です。また、自社対応で廃車手続きや解体を行うため、余分なコストを省けることが高価買取できる理由のひとつとして挙げられます。
廃車王を通じてSDGsに貢献できる
廃車王を利用した車の売却は、単に車を処分するだけでなく、持続可能な社会への貢献にもつながります。廃車王はSDGsを支援する取り組みを行っており、お客さまの車が環境保全や資源の有効活用に役立つのです。
廃車王のSDGs活動は使用済み自動車の適正処理から始まります。買取した車は、まず有害なフロンガスや廃オイルなどを安全に回収します。
その後、まだ使える部品は洗浄・整備してリユース部品として再利用され、その他の部分は鉄や銅、樹脂などの再生資源として回収することで、ほとんどの部分をリサイクルしています。
廃車王ならどんな車も
0円以上の高価買取!
廃車王では買い取りした自動車をロスなくパーツ・部品・金属資源に換え、利益を得ているため、お客様に大幅還元致します。
さらに廃車王なら、
嬉しい3つの無料があります。
- 面倒な廃車手続きをすべて無料で代行
- 車の引き取りにかかる費用も原則無料
- キャンセル手数料も無料
WEB無料査定を申し込む
構造変更についてよくある質問

ここでは、構造変更に関する一般的な質問について回答します。
構造変更は自分でできる?
構造変更の手続きは自分で行えます。ただし、自分で手続きをする場合、必要書類の準備・陸運支局での申請・書類審査・実車検査などが必要です。
必要書類は、次の通りです。
- 申請書(OCR申請書第2号様式)
- 車検証
- 点検整備記録簿
- 自賠責保険証明書
- 印鑑
- 納税証明書
- 使用者と所有者の委任状
- 自動車検査票
- 手数料納付書
- 自動車重量税納付書
OCR申請書第2号様式の申請書は、国土交通省のサイト内でダウンロードできます。
外部サイト構造変更した車は売却できる?
構造変更した改造車でも売却は可能です。ただし、改造車への価値観には個人差があるため、客観的な価値判断が難しいことから、中古車としての価値は下がりやすくなります。
改造車の買取価格は売却先によって異なるため、専門の買取業者へ相談することをおすすめします。
まとめ

構造変更は、車の外寸・重量・乗車定員・形状・排気量などを変更する際に必要となる重要な手続きです。安全基準内での改造でも、手続きを忘れると違法改造とみなされます。構造変更が必要となるケースは、オーバーフェンダーの取り付けやエンジンの載せ替え、車高の大幅な変更などです。
改造車の買取でお困りの際は廃車王にご相談ください。廃車王は車両の状態に関わらず、買取が可能です。無料査定は公式サイト上のWebフォームやLINE、電話にて受付を行っています。
廃車王ならどんな車も
0円以上の高価買取!
廃車王では買い取りした自動車をロスなくパーツ・部品・金属資源に換え、利益を得ているため、お客様に大幅還元致します。
さらに廃車王なら、
嬉しい3つの無料があります。
- 面倒な廃車手続きをすべて無料で代行
- 車の引き取りにかかる費用も原則無料
- キャンセル手数料も無料
WEB無料査定を申し込む