2021年12月10日 廃車Q&A
残債一括返済をしなければ乗れなくなった車の廃車手続きをすることができないのをご存知でしょうか?ローンが残っている車が思わぬ事故などで乗れない状態になった場合、残債一括返済をしないとその車は廃車手続きをすることができません。廃車手続きを行わなければ乗っていない車に対して自動車税を払い続けなければならないといった状況になります。
これを防ぐにはいくつかの対処方法がありますのでご紹介していきます。必ずしも「残債一括返済ができない=廃車手続きができない=自動車税の支払い義務を免除できない」というわけではないので、諦めずにまずはこちらの記事をご覧ください。
目次
今回のお話で最も重要となってくるのが「所有者」というキーワードです。所有者とは、言葉の通りその車を所有する人という意味ですが・・・車検証には「所有者」と「使用者」というのが別々で記載されています。使用者はその車に乗る人になりますが、使用者は購入元のディーラーになっていることがよくあります。
これは、ローンを組んで車を買った際に、万が一支払いが滞るような事態になることも考慮してディーラー側が所有権を持っているというわけです。つまり所有権を担保としているのですね。所有者が廃車手続きを行う本人でない場合、つまりディーラーなどであった場合、廃車手続きは行うことができません。
ローンが残っている車を廃車しなければならない時はまず、車検証にある車の「所有者」が自分になっているのかを確認しましょう。例えばローンを組まずに自分のお金で一括購入した場合はもちろん自分の氏名が記載されていますし、銀行の自動車ローンを利用している場合は自動車の所有権を担保としていないため購入者に所有権がある場合もあります。
廃車をしなければならない時に確認すべきことをもう一度まとめます。
①ローンの残債があるのかどうか
②ローンを組んでいる場合、所有権を担保としているのか(所有者が誰になっているのか)
この2点をまずは確認してみましょう。
まず最もシンプルな方法は、ローンの残債一括返済を行いディーラーから完済証明書をもらい、所有権の留保を解除する方法です。これにより所有者を自分名義に変更することができるので、あとは通常の流れの通り廃車手続きを行うだけです。
①が難しい場合は、新しい車を同じディーラーから購入し、新たなローンを組み直す際に残債を組み替えてもらう(合算してもらう)という方法です。急な事故や災害によりまだ多くの残債が凝っている場合など一括返済が難しいときに有効な方法です。
ただし、「毎月一定額の返済を続けることができる返済能力がある」というのが大前提の話になります。
②③のどちらも難しい場合の最終手段が「自動車税事務所に相談してみる」という方法です。残債一括返済ができず、かといってローンの組み換えもできない場合は、ディーラーから所有権の解除をしてもらえないため、廃車手続きを行うこともできませんよね。これでは乗らない車の自動車税を無駄に払い続けなければなりません。
こうなってしまった時には、県の管轄である自動車税事務所(自動車税・自動車取得税についての課税・収納・免税を担当している場所)に、自動車税の課税をストップしてもらえないか相談してみましょう。事前に車を解体して解体証明書を提出すれば対応してもらえる可能性もあります。
ただし、過去に自動車税の滞納がある場合などはこれを支払わなければならないので、その点は注意が必要です。
いかがでしたか?急な事故や災害に見舞われた際、ローンの残債一括返済ができれば何の問題もありませんが、大抵は余力がないことのほうが多いはずです。そんな時でもまずは慌てることなく、本日の記事を参考にしてみてくださいね。