ユーザー車検の流れを解説！予約方法から必要書類・検査の手順まで

車検の時期が近づくと、「できるだけ費用を抑えたい」と考える方も多いのではないでしょうか。ディーラーや整備工場に依頼する代わりに、自分で車を検査場に持ち込む 「ユーザー車検」 を利用すれば、数万円単位で費用を節約できる可能性があります。

しかし、手続きや必要書類、検査の流れなど、初めての方にとっては不安が多いかもしれません。

この記事では、ユーザー車検の魅力から具体的な流れ、不合格になった場合の対処法まで詳しく解説します。費用を抑えて車検を通したい方は、ぜひ最後まで参考にしてください。

ユーザー車検は安さが魅力

車検費用の負担に頭を悩ませている方や車のメンテナンスを自分で行いたいと考える方にとって、ユーザー車検は魅力的な選択肢かもしれません。

ユーザー車検とは、車の所有者が自ら運輸支局や軽自動車検査協会に車を持ち込んで車検を受ける方法のことです。通常はディーラーや整備工場などの専門業者に依頼しますが、ユーザー車検では業者を介さずに自分で必要な書類をそろえて検査を受けます。

全国の運輸支局や軽自動車検査協会で受けることができ、予約すれば誰でも利用可能です。近年はインターネットで情報収集がしやすくなり、ユーザー車検に挑戦しやすくなりました。

メリットは車の知識が深まり節約できること

ユーザー車検の最大のメリットは、費用の節約です。業者に依頼する場合に発生する代行手数料が不要になるため、車検業者と比べて3万円~5万円程度安くなることがあります。また、自分で車検を行うことで車への理解が深まり、日頃のメンテナンスにも役立つ知識が身に付きます。

車検時には税金や保険料も自分で対応するため、これらの費用についても理解を深めることができます。車検は車を所有する限り定期的に必要ですが、ユーザー車検で経験を積むことでスムーズに対応できるようになります。

デメリットはさまざまな面で手間がかかること

運輸支局や軽自動車検査協会の開庁時間は平日の日中のみのため、平日に時間を確保できない場合は調整が必要です。予約の取得から必要書類の準備、実際の検査まで全て自分で行う必要があり、時間的な余裕が求められます。

車検に向けて整備が必要になった場合、整備期間中の代車を自分で用意する必要があります。また、法定の24か月点検では専門の工具が必要なため、別途整備工場などで受ける必要があります。

関連ページ

『車検切れの廃車はタイミングが肝心！注意点を紹介』

ユーザー車検を受けるときの流れ

初めてユーザー車検に挑戦する際は、どのような手順で進めればよいのか不安に感じるかもしれません。事前の予約方法や必要な準備、当日の検査の流れ、不合格になった場合の対処法などを事前に確認しておきましょう。

ここでは、ユーザー車検を受ける際の流れを解説します。

1. 運輸支局・検査場を予約する
2. 予備検査を受ける
3. 書類をそろえて窓口で手続きをする
4. 検査を受ける
5. 合格後の最終手続きを行う

運輸支局・検査場を予約する

ユーザー車検は車種によって予約場所が異なります。普通自動車は「自動車検査インターネット予約システム」から予約する必要があり、電話予約は受け付けていません。

軽自動車は「軽自動車検査予約システム」や電話で予約でき、初めて利用する場合や前回から2年1か月以上経過している場合は新規アカウント登録が必要です。車検を受けるスケジュールを決めて予約を入れましょう。

外部サイト

『ユーザ自身が検査手続を行う方法｜自動車検査登録総合ポータルサイト｜国土交通省』

外部サイト

『検査予約システム – 軽自動車検査協会』

予備検査を受ける

運輸支局や軽自動車検査協会の周辺には、本番と同じ検査を事前に受けられる民間の予備検査場があります。事前に予備検査場で確認しておくと、合格率アップにつながります。

地域によっては予備検査場が設置されていない場合や一般の受付を断っている場合もあるため、利用する場合は事前に受け入れ状況を確認しておきましょう。

書類をそろえて窓口で手続きをする

車検当日は窓口で予約番号を伝え、必要書類を入手して手続きを行います。自動車重量税と検査手数料は印紙・証紙で支払うため、運輸支局近隣の自動車関係団体で購入が必要です。購入した印紙を自動車重量税納付書と自動車検査票に貼り付けましょう。

自動車税種別割の納税状況は電子確認ですが、納税直後の場合は情報が更新されていない可能性があります。その場合は自動車税納税証明書の提出が必要です。継続検査申請書は、見本を参考に記入します。

検査を受ける

検査は一連の流れで進み、最初に車両の同一性の確認が行われます。続いて次の検査が実施されます。

• 外観検査
• サイドスリップ
• スピードメーター
• ヘッドライト
• ブレーキ
• 排気ガス
• 下回り
• 総合判定

検査中は自分でボンネットを開けたり、灯火類やホーンを操作したりする必要があるため、検査官から指示を受けたら速やかに対応しましょう。

外部サイト

『検査項目と主な検査機器｜自動車検査登録総合ポータルサイト｜国土交通省』

合格後の最終手続きを行う

検査に合格した際は、受付時に提示した書類を運輸支局整備担当窓口に提出すると、新しい車検証と検査標章（車検ステッカー）が交付されます。交付されたら、内容に誤りがないかを確認しましょう。

最後に、車検証は車内で保管し、フロントガラスの検査標章を新しいものへ貼り替えると手続き完了です。不合格の場合は、検査当日に限り2回まで再入場できるため、車両状態を整えて再挑戦しましょう。

外部サイト

『ユーザー車検受検案内 – 北海道運輸局』

ユーザー車検に必要な書類

ユーザー車検を受ける際は、書類の用意が必要です。ここでは、ユーザー車検に必要な書類を「事前に用意する書類」と「当日に用意する書類」に分けて詳しくご紹介します。

事前に用意する書類

ユーザー車検を受ける前に準備しておく書類は、次の通りです。

書類名	備考
自動車検査証	提出するため紛失した場合などは再交付が必要
点検整備記録簿	検査前に定期点検を行った場合は提示する
自動車損害賠償責任保険証明書	車検更新後の有効期間を満たすものを提示する
自動車税納税証明書	電子的に確認できない場合に提示が求められる

特に自賠責保険証明書は、車検更新後の有効期間を満たす必要があるため、あらかじめ保険会社の代理店などで契約更新の手続きを行う必要があります。

また、自動車税納税証明書は、納付から電子的に確認できるようになるまでに時間がかかるため、納付してから日が浅いときは紙の証明書を用意しておきましょう。

外部サイト

『ユーザー車検受検案内 – 北海道運輸局』

関連ページ

『電子化した車検証はどう変わった？特徴や注意点をチェックしよう』

当日に用意する書類

ユーザー車検の当日に用意する書類は、次の通りです。

書類名	備考
自動車検査票	運輸支局窓口で受け取れる 自動車検査手数料の印紙・証紙を貼付して提出する
自動車重量税納付書	運輸支局窓口で受け取れる 自動車重量税印紙を貼付して提出する
継続検査申請書	運輸支局窓口で受け取れる他、国土交通省ホームページで印刷できる 項目を記入して提出する

検査当日、運輸支局や軽自動車検査協会の窓口で取得する書類があります。自動車検査票は車検の各項目の合否を記録するための用紙です。また、自動車重量税を納めるための書類として、自動車重量税納付書を受け取りましょう。

車検証を出力するために、継続検査申請書も受け取ります。これらの書類は当日窓口で無料配布されていますが、国土交通省ホームページで印刷が可能です。

外部サイト

『自動車：OCR申請書各種様式について – 国土交通省』

ユーザー車検で不合格になったときの対応は？

ユーザー車検で不合格になった場合、どのような対応が必要なのか分からないという方もいるのではないでしょうか。ここでは、不合格になりやすい原因と、不合格になったときの対応について解説します。

整備不良や操作ミスは不合格になりやすい

ユーザー車検で不合格になる主な原因は、操作ミスと整備不良です。操作ミスは運転者の操作が原因で不合格になるケースのことで、初めて受検する方に多く見られます。例えば、スリップ検査ではハンドルを切らずにまっすぐ走行する必要がありますが、緊張して誤ってハンドルを動かしてしまうと不合格とされてしまうのです。

整備不良は、車両の問題が原因で不合格となるケースのことです。ヘッドライトの光量不足やブレーキランプが切れている状態などがあります。

不合格になったときの対応は4パターンある

ユーザー車検で不合格になった場合、再検査を受ける時期によって対応が分かれます。

• パターン1「当日中の再検査」：初回を含めて3回まで検査が可能
• パターン2「当日4回目以降の再検査」：限定自動車検査証を発行し手数料が必要
• パターン3「2週間以内の再検査」：限定自動車検査証で15日間走行可能、再検査は不適合箇所のみ
• パターン4「2週間を超えた再検査」：最初から全検査をやり直し

このように、万が一不合格になったときは、なるべく当日中の合格を目指すことがおすすめです。

車検を断念するなら廃車王の買取査定をお試しください

車検費用や修理費用が高額になる場合、車の処分を検討する方もいるのではないでしょうか。年式の古い車や走行距離の多い車の場合、新しい車に乗り換えるのがよいかもしれません。

車検を断念する際には、廃車王の廃車買取をご検討ください。ここでは、廃車王の高価買取の仕組みやSDGsへの貢献について詳しくご紹介します。

中古車も廃車も高価買取

廃車王は経済産業大臣の認可を受けた事業協同組合が運営しており、全国150店舗が各地のご相談に対応しています。北から南まで幅広いエリアに対応し、中古車も廃車も買取できるのが特徴です。

廃車王は自動車リサイクル事業者が対応しているため、廃車手続きや解体を自社対応でき、別の業者へ依頼する中間マージンがかかりません。

車の解体時にはまだ使える部品を洗浄・整備して取り出し、リユースパーツとして販売しています。また、車体に使われている鉄や銅などもリサイクルし、貴重な再生資源として販売することで利益を得ています。このようにして利益を確保できることから、高価買取を通じてお客さまへ還元しています。

SDGsに貢献できる

廃車王はSDGsを支援しているため、不要になった車の処分をお任せいただくと、廃車王を通じて持続可能な社会の実現への貢献が可能です。

廃車王では2030年の目標として、使用済み自動車約1,000万台から2,000万点以上の自動車リユース部品の生産と適正なリサイクル処理を実施し、50万t以上のCO2削減を目指しています。

2024年の成果では2万4,097tものCO2削減に貢献し、2024年8月までの削減値の累計は25万8,269tを達成しました。不要な車を手放すときは、ぜひ廃車王を通じてSDGsへの貢献をご検討ください。

ユーザー車検についてよくある質問

ここでは、ユーザー車検についてよくある質問とその答えをご紹介します。ユーザー車検を検討するときは、疑問や不安を抱えたまま手続きを進めると、予想外の出費やトラブルに遭遇するかもしれません。ユーザー車検を検討する際には、疑問点を早めに解消しておきましょう。

ユーザー車検はどれくらい費用が安くなる？

ユーザー車検でかかる主な費用は、自賠責保険料、自動車重量税、印紙代などの法定費用です。業者に依頼する場合、点検や整備などの車検基本料金がかかりますが、ユーザー車検ではそれらの費用を削減できます。

車検基本料金は車種や依頼先によって異なり、2万7,000円程度のこともあれば10万円近くなることもあります。

ユーザー車検は車内の荷物を積んだまま受けられる？

軽自動車の場合、ユーザー車検は荷物を積んだ状態では受けられません。事前に荷物を降ろした状態で検査を受けましょう。

普通車の場合は運輸支局のサイト上に注意書きが見つかりませんでしたが、荷物を積んだままの状態は重量測定へ影響を与える可能性があるため、可能な限り荷物を降ろしておきましょう。

外部サイト

『Q. 5-009　荷物を積んだままユーザー車検を受けられますか。 | 手続きナビ｜よくあるご質問（ＦＡＱ）｜軽自動車検査協会』

まとめ

ユーザー車検は、業者に依頼せずに自分で車検を受けることで費用を節約できる方法です。費用面では大きなメリットがありますが、平日の時間確保や手続きの手間など、デメリットも考慮する必要があります。不合格になった場合には、再度受け直す必要があることも覚えておきましょう。

高額な車検費用がかかる場合、車を買い替えることもひとつの手段です。買取価格が付きにくい車を手放すときは、廃車王の無料査定をお試しください。廃車王では、走行に問題のある車や車検切れの車でも高価買取を行っています。