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レストアとは?意味やオーバーホールとの違い・作業内容を詳しく解説

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「車をレストアして価値を高めたい」と考える方もいるのではないでしょうか。レストアとは、劣化や損傷が進んだ車を元の状態に近づけるよう復元することを指します。クラシックカーや旧車の価値をよみがえらせられる一方で、費用や時間がかかる点には注意が必要です。

本記事では、レストアの基本的な意味やオーバーホールとの違い、具体的な作業手順、さらにメリット・デメリットまで詳しく解説します。レストアを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

  • レストアは車全体を復元するのに対し、オーバーホールは部品の分解・洗浄を目的としたもの
  • レストアには高い技術が必要であるため、実績のある業者に依頼するのが大切
  • レストアは状況によって新車購入程度の費用がかかることもあるため注意

レストアとは?

車のエンジンルームの写真

レストアは古くなった車や、劣化した車をよみがえらせる方法として注目されている手法です。オーバーホールと混同されがちですが、両者には大きな違いがあるため、それぞれの特徴をよく理解した上で、どちらを行うべきか検討しましょう。

ここではレストアの意味や種類、方法、オーバーホールの違いについてご紹介します。

レストアの意味

レストアとは、英語で復元するという意味を持つrestoreを語源とした言葉です。車に関しては、その名の通り古くなった車や劣化が激しい車に手を加え、新車に近い状態に復元させることを意味します。

かなり大がかりな作業になるため、レストアを検討する方は決して多くありませんが、思い入れのある車を維持し続けたい方や、希少なクラシックカーに乗りたい方にとって、レストアは旧車をよみがえらせる手段の一つです。

レストアの種類

レストアは、作業内容や目的に応じて2つの種類に分類されます。

  • セミレストア:破損や劣化した部分のみを修復する
  • フルレストア:全ての部品を交換して新車に近づける

1つ目は、破損や劣化した部分のみを修復するセミレストアです。後述するフルレストアよりも必要な部品が少なく、かつ作業も最小限で済むことから、コストと手間を省けるところが特徴になります。

2つ目は、劣化した部分だけでなく、それ以外の部品も全て交換するフルレストアです。全ての部品を手に入れなくてはならないため、多大な時間とコストがかかりますが、セミレストアよりも復元率が高く、新車に近い状態に仕上げられます。

レストアの方法

レストアの方法は大きく分けて2つあります。

  • オリジナル部品をなるべく生かして修復する方法
  • 車両を完全に分解・整備・交換して復元するフルレストア

1つ目は、オリジナル部品をなるべく生かして修復する方法です。再現性が高いところが利点ですが、オリジナル部品を調達するのが難しいこと、昔のパーツのため機能性はやや劣るなどのデメリットもあります。

2つ目は、車両を完全に分解し、全ての部品(ボディ、フレーム、エンジン、内装など)を点検・整備・修理、あるいは交換し、車両全体を新車に近い状態、または特定の基準まで復元するフルレストアです。時間とコストは膨大になりますが、最も高い完成度を目指せます。

どちらを選ぶかは、レストアに何を求めるかによって異なるため、ニーズに合った方法を選びましょう。

レストアとオーバーホールの違い

レストアとオーバーホールはしばしば混同されがちですが、目的や手段に大きな違いがあります。

レストアは旧車の部品を交換したり、ボディを塗装したりして新車に近い状態に復元し、その外観や走りを楽しむことを目的としたものです。

一方のオーバーホールとは、エンジンやトランスミッションなどの機械類を点検・洗浄・修理する作業になります。主に機械類にのみ行われる作業で、車の機能性や走行性能を維持または向上させることを目的に行われます。

レストアに比べると、メンテナンスの意味合いが強いところが主な違いでしょう。

レストアの計画・依頼の手順

レストアの作業手順は、大きく3つのステップに分類されます。なお、レストアは非常に大がかりな作業になるため、個人で行うのは困難です。

  • ベースとなる車を決める
  • レストアを依頼する業者を探す
  • 車の状態を確認してもらう

「愛車を自分の手でよみがえらせたい」「時間がかかってもよいから自分で復元したい」といった特別な理由がなければ、業者に依頼してレストアしましょう。ここではレストアの具体的な作業手順を解説します。

ベースとなる車を決める

まず、レストアのベースとなる車を決定します。基本的には好みの車を選びますが、マイナーな車種は流通台数が少なく、レストアに使う部品の準備のハードルも高くなる点に注意が必要です。

一方、人気の車種は比較的車体・部品ともに探しやすい傾向にありますが、需要がある分、価格が割高になる傾向にあります。特に、状態の良い車はかなりの費用がかかりますが、レストアに要する費用を安く抑えやすいのが利点です。

レストアを依頼する業者を探す

ベースにする車が決まったら、レストアを依頼する業者を選定します。レストアには特殊な技術と専門的な知識が必要になる作業であるため、レストアの実績や経験が豊富な業者を選ぶようにしましょう。

また、自分で部品を探すことを検討している場合は、部品持ち込みに対応しているかどうかもチェックするのが大切です。

なお、部品持ち込みに対応しているところでも、通常の基本料金とは別に持ち込み料金が発生するケースがあります。持ち込み料金の有無や金額は業者によって異なるため、事前に問い合わせておきましょう。

車の状態を確認してもらう

業者に車の状態を確認してもらい、レストアが必要な部分や、作業の内容、所要期間と費用について説明を受けます。セミレストアとフルレストアのどちらにするか迷っている場合は、両方のパターンで期間と費用の見積もりを出してもらうと良いでしょう。

車の状態は自分でもある程度チェックできますが、低年式の旧車の場合、外観をぱっと見ただけで全ての不具合や劣化を調べるのは困難であるため、専門家に隅々まで点検してもらうことをおすすめします。

レストアを行う3つのメリット

車のレストアを行うと、既に生産終了している車に乗れる、希少価値や資産価値が上がるなど、さまざまなメリットがあります。特に旧車やクラシックカーに憧れがある方はレストアを検討してみると良いでしょう。

ここではレストアを行うメリットを3つご紹介します。

  • 生産終了している古い車に乗れる
  • 希少価値が生まれる
  • 資産価値が上がる

生産終了している古い車に乗れる

現代の車にはないデザインや構造を採り入れているクラシックカーは愛好者の間で人気が高く、憧れている方は多くいます。

しかし、クラシックカーは年式が古いものがほとんどで、中古車として手に入れてもまともに動かないケースも少なくありません。レストアを行えば、旧車を再び動ける状態にまで復元できるため、既に生産終了している憧れのクラシックカーでのドライブを楽しめるようになります。

希少価値が生まれる

古い名車ほど市場の流通量が少なく、プレミア品として重宝されます。希少価値は車の状態が良いほど高くなるため、レストアして新車に近い状態に復元すれば、より大きな付加価値をプラスできるかもしれません。

レストアした車は丁重に扱いビンテージ品として保管しておけば、市場の動向や人気の高まりによっては、年数が経つほどさらに価値が高まる可能性もあります。なお、レストアした車の価値を維持するためには、屋内ガレージに保管するなど適切な管理を行うのが大切です。

資産価値が上がる

クラシックカー愛好者にとって、程度の良い旧車は非常に価値の高いものです。中でも、新車に近い状態まで復元したレストア車は、コレクターの間で高値で売買されることも少なくありません。

特に人気のある車種はプレミアが付き、場合によっては、当時の新車価格よりも高値で売れるケースもあるようです。

ただし、レストアにはそれなりの費用がかかるため、コストに見合う売値を期待できるのかどうかが重要なポイントになります。

レストアを行う3つのデメリット

レストアにはさまざまなメリットがあると説明しましたが、一方で手間や時間、コストなどの面で注意すべきポイントもあります。良い面だけ見ていると後悔することになりかねないため、デメリットもしっかり把握しておきましょう。

  • 完了までに時間がかかる
  • 耐久性が落ちる可能性もある
  • 費用がかかるケースが多い

完了までに時間がかかる

既に生産を終了している古い車は、部品も廃番になっているケースがほとんどです。そのため、レストアに必要な部品を収集するのに多大な時間を要する可能性があります。

特に全ての部品を交換するフルレストアの場合、年単位の期間を要することもあるかもしれません。

なるべく短い期間でレストアしたいのなら、部分的に交換するセミレストアを検討した方が良いでしょう。

なお、セミレストアであっても、作業には月単位の期間がかかることもあるため、あらかじめ注意が必要です。

耐久性が落ちる可能性もある

旧車は劣化によって状態が悪くなっているケースが多いため、レストアで部品を交換すれば、元の状態よりも機能性や走行性能が高くなる場合がほとんどです。

ただし、レストアの方法によっては元の状態よりも耐久性が低下するケースもあります。例えばボディを再塗装する場合、一度塗装を剥離した際に素材が空気に触れるため、耐久性や質が低下する恐れがあるでしょう。

特に実績の少ない業者で作業を行う場合などに、サビ止めなどの処理が十分に行われず、サビが浮きやすくなることもあるようです。

費用がかかるケースが多い

年式の古い車ほど、レストアにかかる部品の流通量が少なく、部品そのものにプレミアが付いています。また、レストアには高い技術が必要になるため、一般的な修理費やメンテナンス費よりも作業料金が割高に設定されているケースがほとんどです。

このような事情から、レストアには膨大な費用がかかることが多く、場合によっては新車と同等のコストが発生する可能性があります。

特にフルレストアは費用が割高になるため、業者に見積もりを作成してもらい、どのくらいのコストがかかるのか調べてからじっくり検討しましょう。

まとめ

レストアを行うと旧車を新車に近い状態に復元できるため、生産終了した旧車に乗れる、希少価値や資産価値の向上を期待できるなど、さまざまなメリットを期待できるでしょう。一方で、レストアにはかなりの時間と費用がかかる他、作業内容によっては元の状態よりも耐久性が下がる可能性があります。

「憧れのクラシックカーに乗りたい」「思い出の車をきれいな状態で保管したい」場合はレストアがおすすめですが、単純に「新車を買うお金がないから古い車を直したい」といった理由でレストアを行うと、手間やコストの面で損をする可能性が高いため、他の方法で処分を検討した方がよいでしょう。

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