車のブレーキから音がするのはなぜ？原因と対策を徹底解説

「ブレーキを踏むたびにキーキー、ゴーゴーなどと異音がする」と、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

ブレーキ操作時の異音は、パッドやローターなど関連部品の劣化に起因することがありますが、全てが危険な兆候とは限りません。状況に応じた適切な対策を取れば、症状が解消される可能性があります。まずは原因やブレーキ機能の仕組みを理解しましょう。

この記事では、考えられる異音の原因や注意が必要なケース、対策方法をご紹介します。各パーツの特徴にも触れているため、ぜひ参考にしてみましょう。

この記事で分かること

• 「キーキー」という音は、ブレーキパッドを交換すると解消できる可能性が高い
• 気温や温度が異音に影響する場合もある
• 異音が聞こえたら、状況に合った対策を取ることが大切である

車のブレーキから異音が聞こえる原因

ブレーキを踏んだときに発生する音は、主にパッドやローターの劣化が原因となっている可能性があります。冬の寒さが原因の場合もあるため、まずはどのようなときに音が鳴るのか、具体的な仕組みを理解するのが大切です。

異音の種類や状況を確認した上で原因を特定し、必要に応じて適切なメンテナンスを行いましょう。

ブレーキパッドが摩耗している

まず考えられる原因が、ブレーキパッドの摩擦です。ブレーキパッドを構成する要素の一つに、摩擦材があります。摩擦材は、ブレーキを踏んだときに摩擦を起こすことで、車を停止させる役割を担っている部品です。常に高温状態にさらされるため、耐熱性に優れた素材で作られています。

しかし、摩擦材は使用するたびに少しずつ摩耗し、摩擦材の劣化が進むとブレーキパッドが減っていきます。その結果、パッドウェアインジケーターと呼ばれる警告装置がブレーキディスクに触れ、「キーキー」とした異音が発生するのです。

このときに鳴っている音は、「パッドの交換時期が近づいている」という警告を示すものになります。

パッドとローターの摩擦面が振動している

ブレーキパッドとローターの摩擦面が振動するのも原因の一つです。パッドが正常な状態でも、摩擦時の振動が特定の周波数に達すると、キーキーした異音が鳴ることがあります。

車が減速・停止するのは、ブレーキパッドがローターと摩擦を起こしているためです。どちらの部品も経年劣化で徐々にすり減りますが、片方だけ極端に摩耗すると、振動が発生して異音が鳴る場合があります。

振動はキャリパーやローターを経由して広がり、最終的に不快な音に変化するケースもあるため、早めの対処が必要です。

他にも、パッド交換時に古いローターとうまくかみ合わず、異音が発生するケースも考えられます。

ブレーキが冷えている

走り始めのときに異音がする場合、ブレーキの冷えが原因の可能性があります。真冬の寒い時期などは、パッドとローターが冷え切っているため、ブレーキを踏んだときに摩擦面で振動が起きやすくなります。時間が経って温度が上がれば解消されるケースもあるため、一度様子を見てみましょう。

また、雨や雪によってブレーキに水分が付着すると、乾いたときにサビが発生する可能性があります。しかし、音が鳴るのは主に走り始めのみで、何度かブレーキをかけるうちにサビが削れて自然と音はなくなるでしょう。

車のブレーキから異音が聞こえたら危険？

ブレーキから異音がすると「何か故障しているのでないか」「次第にブレーキが効かなくなるのではないか」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。確かに異音の原因特定をせず、そのまま放置すると、トラブルにつながる可能性があります。

しかし、全ての異音が危険な状態を示しているわけではありません。以下で危険な異音とそうでないケースを理解しましょう。

絶対に危険というわけではない

ブレーキからの異音は、全てのケースで危険だと判断されるわけではありません。部品の構造や気温の影響によって、一時的に発生する場合があります。

例えば、早朝の走り始めや寒い時期はブレーキが冷え切っている場合が多いです。キーキーとした異音が聞こえることがありますが、これは気温の影響によるもので、走行していくうちに徐々に解消されるでしょう。

また、ブレーキは意図的に摩擦を発生させることで車を停止させているため、部品同士が接触して振動が生じ異音が出る場合もあります。

ただし、ブレーキ周りの部品は、定期的な交換や修理が必要です。特にパッドの摩耗による異音は、交換時期が迫っているサインのため、早めに業者で点検を受けましょう。

注意が必要なケースもある

中には、放置すると重大なトラブルにつながる異音もあります。

例えば、ブレーキパッドが摩耗している場合、ブレーキを踏んだときにインジケーターが「パッドの残量が減っている」と警告してくれます。このときに鳴る「キー」という音が、警告音です。

早めに交換しなければ、ブレーキの効きが悪くなったり、過度な温度上昇が起こったりする可能性があります。業者に点検を依頼し、異音の原因がどこにあるのか確認してもらいましょう。

また「シュー」「ゴー」などと音がする場合、内部で重大なトラブルが発生している可能性があります。聞いたことがない異音がする場合は、すぐに業者に原因を特定してもらいましょう。

もし修理するのが難しい場合は、廃車買取業者に査定を依頼するのがおすすめです。トラブルが発生した車に乗り続けると、修理しても症状が再発する可能性があります。廃車買取業者なら状態が悪い車でも高値で買い取ってくれる場合があるため、一度査定を申し込んでみると良いでしょう。

車のブレーキから異音が出ているときの対策

ブレーキの異音は、部品の劣化や気温の影響など、さまざまな要因が絡んで発生します。異音が続く場合やブレーキの効きに違和感がある場合は、早めに原因を特定し、適切な対策を取りましょう。

基本的にブレーキ周りの修理は専門知識が必要なため、業者に依頼するのが一般的です。以下では、業者で実施する具体的な対処法を3つご紹介します。

ブレーキのメンテナンスを実施する

まずは、ブレーキに異常がないかメンテナンスを実施しましょう。パッドに問題がなくても、部品同士がうまくかみ合わなければ、異音が発生する可能性があります。早急に原因を特定するためにも、メンテナンスでトラブルに応じた処置を行うことが大切です。

例えば、パッドの背面（ディスクローターと接触しない面）とシムの間にグリスを塗って、ブレーキキャリパーに伝わる振動を抑えれば異音がなくなる可能性があります。特に新しいパッドに交換した直後は、これまでの使用で傷や凹凸の生じているディスクローターと、摩耗のない平らなパッド表面が均一に接触できず異音が発生することがあるため、グリスの塗布が効果的です。

また、ブレーキの軽さや効きの悪さが気になっている方は、内部に発生した気泡を除去するエア抜きもしてもらうと良いでしょう。

部品の修理や交換を行う

ブレーキ関係の部品に問題がある場合、部品の交換や修理を行いましょう。例えば、ブレーキパッドがすり減って異音がする場合、パッドを交換すれば改善します。

また、ディスクローターの歪みや傷、サビも異音の原因の一つです。そのまま放置するとブレーキが効かなくなる恐れがあるため、必要であれば交換しましょう。

修理が必要なケースとして、ブレーキキャリパーやスライドピンの固着が挙げられます。これらが正常に作動しなければ、ブレーキが軽くかかったままの状態になったり、効かなくなったりする可能性があります。故障や事故につながる前に、早めに対処しましょう。

オーバーホールを行う

オーバーホールの実施も検討しましょう。オーバーホールとは、ブレーキキャリパーの内部に異常がないか確認する作業です。異常があれば、分解して部品を交換したり、洗浄したりします。

ブレーキを構成するキャリパーやホイールシリンダーなどには、ゴム製の部品が使用されています。ゴムは柔軟性があるため、正常な状態なら特に目立った異常は見られません。しかし、長年の使用でゴムが傷むと、ピストンがスムーズに動かなくなる可能性があります。

オーバーホールで部品の洗浄や交換を行い、異音が解消するか確認しましょう。

車のブレーキ音に関連する主なパーツ

ブレーキの異音は、主に摩擦や部品の劣化によって発生することが多いです。パッドやローターの摩耗だけでなく、キャリパーやシュー、フルードにトラブルが発生している可能性があるでしょう。

各部品の役割や仕組みなどを理解することで、適切な対処法を選びやすくなります。以下では、ブレーキ音に関係する主なパーツを4つ解説します。

ブレーキパッド

ブレーキパッドは、ディスクブレーキと連携している部品です。ディスクローターに挟み込む形で使用されており、1輪に付き2枚付いています。

ブレーキパッドは使うたびにすり減っていき、一定の厚さを下回ると異音が発生する可能性があります。異音が続く場合は、早めに新しいものに交換しましょう。

また、偏摩耗やサビが原因で発生する場合もあります。交換の他、グリスの塗布や面取り（角を滑らかに磨く作業）をしてもらうと良いでしょう。

修理費用は、部品代と工賃合わせて1万円～4万円ほどです。部品代は4,000円～7,000円ほどですが、メーカーによっては2万円ほどになる場合があります。

ディスクローター

ディスクローターとは、車輪と一緒に回転する円盤状の部品です。左右にブレーキパッドが1つずつ付いており、ブレーキ時はパッドがローターを挟んで摩擦を発生させ、車輪の回転力を弱めています。

金属製で耐熱性が高いため、摩擦による劣化が頻繁に起こるわけではありません。しかし、走行距離が10万キロメートルほどに達すると、サビや偏摩耗が発生して音が鳴る可能性があります。

左右同時に交換する場合の費用相場は、3万円～5万円ほどです。費用は業者や車種によって異なるため、一度見積もりを取ってみましょう。

ブレーキフルード

ブレーキフルードとは、ブレーキのスムーズな作動に必要なオイルです。ペダルを踏んだ力を油圧に変え、各部品に伝える役割を担っています。

吸湿性を有するため、長期間の使用はベーパーロック現象のリスクを高めます。ベーパーロック現象とは、摩擦熱によりブレーキフルードが沸点を超え、内部の水分が気化して気泡を生じさせる現象です。これにより、ブレーキの効きが低下する可能性があるため、2年～3年ごとの交換が推奨されます。

費用相場は、オイル代と工賃合わせて1万円以下が一般的です。

ブレーキシュー

ブレーキシューは、ドラムブレーキの内側に取り付けられている部品です。ブレーキを踏むと、ドラムに押し付けられて摩擦を起こし、車を減速・停止させます。

内部のブレーキライニングがすり減ると、異音が発生する可能性があります。また、走行中にドラム内へごみが入って片減りが起こるのも原因の一つです。考えられる原因は複数あるため、点検で状態を細かく見てもらいましょう。

修理費用は、部品代と工賃で6,000円～1万円ほどです。ただし、業者の料金体系や車種によって費用が変動するため、正確な金額は見積もりで確認しましょう。

まとめ

ブレーキからの異音は、パッドやローター、フルードなどの部品の劣化で発生しやすくなります。部品の交換や修理で改善されれば問題ないですが、「ゴーゴー」「シューシュー」と鳴るときは原因が別の箇所にある可能性があるため、早めに業者に修理や交換を依頼しましょう。

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