ブレーキの利きが悪くなったらフェード現象かも！？下り坂で事故を起こす前に知っておくべき知識！

長い下り坂を走っているとき、「ブレーキが効きにくいな」と感じたことはありませんか？実はそれ、ブレーキフェード現象と呼ばれる危険な状態かもしれません。

ブレーキが利かなくなると、最悪の場合は大事故につながることもあるため、事前に正しい知識と対処法を知っておくことが大切です。

この記事では、ブレーキフェード現象の仕組みや予防策、もし起きてしまったときの対応方法について分かりやすく解説します。あわせて、ブレーキが故障した車の処分方法についても紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ブレーキのフェード現象とは？

ブレーキフェード現象とは、下り坂などでブレーキを連続して使用することによって徐々にブレーキの利きが悪くなる状態のことです。車のブレーキは摩擦力によって車を減速・停止させますが、この摩擦力が低下することでブレーキの利きが悪くなります。

連続してブレーキを使用すると、摩擦材が過熱し、耐熱温度を超えることで摩擦材に含まれるゴムや樹脂が分解されガス化します。このガスがブレーキパッドとローターの間に入り込むと、制動力が著しく低下＝ブレーキの利きが悪くなるということに繋がります。

特に、下り坂でブレーキが利かなくなると、カーブで減速できずに曲がり切れなくなったり、前の車に衝突してしまうような、「事故に繋がる可能性のある非常に危険な状態」に陥る恐れがあります。

ブレーキの仕組みを理解し、フェード現象が起こるメカニズムを知ることで、危険な状態を未然に防げるでしょう。

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フットブレーキの使い過ぎで起こる

ブレーキフェード現象の主な原因は、フットブレーキの多用です。

フットブレーキとは、運転中に速度を落としたり、停止したりするために足で操作することを指します。

下り坂や長時間の渋滞など、ブレーキを頻繁に使用する状況では、摩擦熱が蓄積し、ブレーキパッドの温度が上昇します。通常の運転の場合、ブレーキを踏んでいない間に熱が放散されますが、連続使用では熱が蓄積され続けることによって、フェード現象へとつながるのです。

フェード現象とベーパーロック現象の違い

ブレーキが利かなくなる現象は「フェード現象」以外にも、「ベーパーロック現象」が存在します。どちらも結果としてブレーキが利かなくなるという危険な状態に陥りますが、発生するメカニズムが異なります。

フェード現象	ベーパーロック現象
摩擦材の過熱によってガス化した物質がブレーキパッドとローターの間に入り込み、摩擦係数が低下することで起こるトラブル	ブレーキオイルが高温で沸騰状態になり、内部に気泡が生じることが原因で発生するトラブル

ベーパーロック現象は、ブレーキペダルを踏んでも最初に気泡を圧縮するだけで、車体を制御することが難しくなります。

前兆を感じたときは早期対応が大切

フェード現象やベーパーロック現象には前兆があります。

• ブレーキの利きが悪くなる
• いつも以上にペダルを深く踏む必要がある
• 焦げ臭いにおいがする
• ペダルが沈み込む感覚や利きにムラが生じる

これらの兆候を感じたら、すぐに安全な場所に停車してブレーキを冷やすのが重要です。無理な走行の継続は避け、必要に応じてロードサービスを利用しましょう。

ブレーキのフェード現象が発生しやすい運転状況

フェード現象が発生しやすい状況は、下り坂や山道、渋滞時などです。

下り坂や山道での走行

長く続く下り坂では、車の速度を制御するためにブレーキを頻繁に使用することになるため、ブレーキパッドに大きな負担がかかります。

また、山道では急カーブが連続することが多く、コーナーごとにブレーキを踏む必要も出てきます。短い間隔で繰り返しブレーキを使用すると、ブレーキパッドが冷却される時間がなく、熱が蓄積されてしまいます。

渋滞時での走行

フェード現象とは無関係に思える渋滞時の走行でも、フェード現象が発生するリスクがあります。

渋滞中は、車の流れに合わせて頻繁にブレーキを踏んだり離したりする「バタ踏み」を繰り返すことが多いため、ブレーキに継続的な負担がかかります。特に坂道での渋滞では、車の重さによってさらにブレーキへの負荷が増加する傾向があります。

フェード現象の効果的な予防方法

フェード現象は、適切な予防策を講じることで発生リスクの軽減が可能です。主な予防方法としては、以下の3つです。

• エンジンブレーキを活用する
• 適切な速度コントロールを意識する
• ブレーキシステムの定期的なメンテナンスを行う

日常的な運転習慣の改善やブレーキシステムのメンテナンスなどで、安全な走行環境を維持しましょう。ここでは、フェード現象を効果的に予防するための具体的な方法について解説します。

エンジンブレーキを活用する

フェード現象を防ぐための効果的な方法のひとつが、エンジンブレーキを取り入れることです。

エンジンブレーキとは、アクセルペダルから足を離したときに起こるエンジンの回転抵抗によって車を減速させることです。フットブレーキとは異なり、摩擦による熱の発生がないため、ブレーキパッドに負担をかけずに車の減速が可能です。

オートマチック車の場合、シフトレバーをDレンジからS（2）やL（1）レンジに入れることで、エンジンブレーキの効果が得られます。

適切な速度コントロールを意識する

フェード現象を防ぐためには、先読み運転と適切な減速タイミングの意識が大切です。特に下り坂や山道では、前方の道路状況を常に確認し、コーナーや停止が必要な地点に向けて早めの減速を心がけましょう。急な減速を避けることで、ブレーキへの負担を軽減できます。

下り坂でのアクセルワークも重要なポイントです。下り坂ではアクセルを踏まなくても車は加速する傾向があるため、不必要なアクセルの使用を避けましょう。速度の出しすぎを防ぐことで、ブレーキの発熱を抑えられます。

ブレーキシステムの定期的なメンテナンスを行う

ブレーキフェード現象を予防するためには、ブレーキシステムの定期的なメンテナンスが欠かせません。ブレーキパッドやブレーキシュー、ブレーキフルード（オイル）などは、時間の経過や使用状況によって劣化するため、定期的な点検と交換が必要です。

ブレーキパッドは摩擦によって徐々に摩耗するため、残量を定期的に確認しましょう。ブレーキパッドは、厚さが3mm以下になったときが交換のタイミングとされています。

フェード現象が起きたときの対処法

運転中にフェード現象が発生した場合、冷静かつ適切な対応が求められます。慌てて不適切な操作をすると、さらに危険な状況を招く可能性も考えられます。

主な対処法としては以下の2つが挙げられます。

• 落ち着いてエンジンブレーキを使用する
• 安全な場所に停車し、30分〜1時間ほど冷却する

落ち着いてエンジンブレーキを使用する

ブレーキの利きが悪くなったことに気づいた場合、冷静な対応が求められます。

予防策でもお伝えしましたが、ブレーキが作動しないときはエンジンブレーキを使用して減速させましょう。

パニックになってブレーキを強く踏み続けても状況は改善しません。それどころか、反対にブレーキパッドを加熱させてしまう可能性もあります。

加熱したブレーキを冷ます

フェード現象が発生したら、ブレーキシステムの冷却が大切です。

停走行時の状況は坂道や高速道路など、さまざまなケースがあるため状況に応じた対応が必要ですが、安全な場所に停車してブレーキを冷やす時間を取りましょう。ブレーキを冷却させる目安の時間は30分~1時間程度です。

ブレーキが過熱している状態では、ブレーキパッドやディスクも高温になっています。この状態で水をかけると、熱膨張している金属部品が急激に冷やされ、ブレーキローターにひびが入るなどの損傷を引き起こす恐れもあります。

ブレーキが故障した車の処分は廃車王にご相談ください

ブレーキシステムに深刻な故障や問題がある車は、修理や部品交換が必要となりますが、車の状態や年式によっては修理費用が車両価値を上回ることもあるかもしれません。

維持が難しい場合には、車の買い替えや処分などの検討をおすすめします。故障した車の処分をお考えの方は、ぜひ廃車王にお問い合わせください。

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フェード現象についてよくある質問

フェード現象は突発的に発生するトラブルのひとつです。山道や都市部を走行する際、不安に感じるドライバーもいるかもしれません。

フェード現象についての正しい理解を得ていれば、トラブルを未然に防いだり、発生したときでも落ち着いて対処したりすることが可能です。安全な走行をするためにも今一度確認しておきましょう。

フェード現象の予兆はどのようなものですか？

通常より強くブレーキペダルを踏まないと十分な減速が得られなくなったと感じたら、フェード現象の初期段階かもしれません。また、ブレーキから焦げたような異臭がする場合も危険信号です。

ブレーキの冷却時間はどれくらい必要ですか？

完全に冷却するには30分~1時間とされています。ただし、これは気温や車種、ブレーキの過熱度合いによって変動するため注意が必要です。長い下り坂や山道でフェード現象が発生した場合、安全な路肩やパーキングエリアに停車し、少なくとも30分はエンジンを止めてブレーキを休ませましょう。

まとめ

ブレーキのフェード現象はブレーキパッドの摩擦材が過熱してガス化し、摩擦力が低下することで起こる危険な状態です。特に下り坂や山道での走行、渋滞時の頻繁なブレーキ操作で発生しやすいことを理解しておきましょう。予防策として、エンジンブレーキの活用や適切な速度コントロール、定期的なブレーキのメンテナンスなどがあります。

ブレーキの故障などで車の修理費用が高額になる場合、廃車王への無料査定をご検討ください。故障車や不動車も適正な価格買取の提示が可能です。