ブレーキパッドは交換すべき？交換のタイミングや費用の目安を紹介

「ブレーキパッドの交換時期がわからない」「費用はどれくらいかかるの？」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

ブレーキパッドは使用とともに少しずつすり減っていく消耗品で、定期的な点検と交換が必要です。異音や走行距離だけでなく、ブレーキの効きが悪くなったり、警告灯が点灯したりするなど、いくつかのサインを見逃さないことが車の適正な制動力を確保する上で重要となります。

この記事では、ブレーキパッドの交換が必要なタイミングや費用の相場、依頼できる主な業者について詳しく解説します。少しでも費用を抑えたい方に向けた節約ポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事で分かること

• ブレーキパッドの交換サインは、異音の発生や走行距離が関係している
• 業者ごとに交換費用やサービス内容が異なり、コストや対応範囲に差がある
• 劣化を放置すると、事故や故障につながるリスクがある

ブレーキパッドの役割とは

ブレーキパッドは、車の減速や停止をコントロールするうえで不可欠な部品です。ディスクブレーキを採用している車両では、車軸に取り付けられたディスクローターを両側から挟み込むように設置され、摩擦によって車輪の回転を抑える役割を担います。

ブレーキペダルを踏むと、油圧の力でブレーキキャリパーがパッドをディスクに押し当て、摩擦が発生します。この摩擦が制動力となり、車の速度を落としたり停止させたりするのです。

多くの乗用車では、前後輪のいずれにもディスクブレーキが採用されており、それぞれの車輪に2枚のパッドが取り付けられています（ただし、後輪にドラムブレーキを採用している車種もあります）。

ブレーキ時には高温になるため、パッドは耐熱性の高い摩擦材で構成されています。ただし、使用を重ねることで少しずつ摩耗していくため、定期的な点検と必要に応じた交換が、安全な走行のために欠かせません。

ブレーキパッドを交換すべきタイミング

多くの乗用車では、前後輪のいずれにもディスクブレーキが採用されており、それぞれの車輪に2枚のパッドが取り付けられています（ただし、後輪にドラムブレーキを採用している車種もあります）。

ブレーキ時には高温になるため、パッドは耐熱性の高い摩擦材で構成されています。ただし、使用を重ねることで少しずつ摩耗していくため、定期的な点検と必要に応じた交換が、安全な走行のために欠かせません。

ブレーキパッドから異音がするとき

ブレーキを踏んだときに「キーキー」と音が鳴る場合、パッドが劣化している可能性があるため、早めに交換しましょう。パッドには摩耗の限界を知らせるインジケーターがあり、薄くなると金属片がディスクローターに当たって「キーキー」という警告音を発生させます。この音が聞こえたら、早めに交換しましょう。

特に注意が必要なのは「ゴリゴリ」や「ゴー」といった異音です。「ゴリゴリ」という鉄が擦れるような音がする場合は、パッドの摩擦材が完全になくなり、パッドの土台である金属製のバックプレートがディスクローターに直接当たっている可能性があります。「ゴー」という音も同様にパッドの摩耗が進んでいるか、ブレーキキャリパーの動作不良によるパッドの引きずりなどが原因で生じることがあります。    

いずれも放置すると事故や故障につながる可能性が高まるため、業者に交換や修理を依頼しましょう。

ブレーキパッドが薄くなってきたとき

ブレーキパッドが薄くなったときも、交換を検討した方が良いタイミングです。新品のときのパッド     の厚さは10ミリメートルほどですが、摩耗が進むと表面が薄くなります。

5ミリメートル程度ならすぐに対応する必要はありませんが、今後劣化が進む可能性があるため、次回の車検時に交換を検討しましょう。

しかし、薄さが3ミリメートル以下に差しかかると、ブレーキ機能に支障を来すリスクが高まります。1ミリ以下になると、ブレーキが著しく効かなくなる可能性も出てくるため、すぐに交換しましょう。

パッドの薄さを確認する際は、まずは車体を持ち上げてホイールを外します。その後、ブレーキキャリパーの点検窓から薄さを確認してみましょう。

走行距離が長くなってきたとき

ブレーキパッドは、走行距離に応じて徐々に摩耗していく部品です。交換の目安としてよく挙げられるのが3万〜5万km程度ですが、実際の摩耗スピードは車種や運転環境、ブレーキの使い方によって異なります。

一般的に「1万kmあたり1mm程度摩耗する」と言われますが、これはあくまで目安です。軽自動車では3万km程度での交換が推奨されることもあり、輸入車や大型車では7万km以上使える場合もあります。

また、走行距離が10万kmを超える車両では、ブレーキパッド以外にも各種部品の劣化が進んでいる可能性があります。修理費がかさむ場合は、車両の買い替えや売却も検討してみると良いでしょう。

参考：『走行距離が20万キロの車でも乗り続けるのは可能？リスクと長持ちさせるコツ』

 ブレーキフルードが減ってきたとき

ブレーキフルードが減ってきたら交換を検討しましょう。ブレーキフルードとは、ブレーキを踏んだときの力を油圧に変換してブレーキキャリパーに伝達するオイルです。

ブレーキフルードが漏れている可能性もありますが、パッドがすり減っていると、キャリパーピストンの突き出し量が増え、ブレーキフルードの液面が下がり、液量が減少しているように見えることがあります。

量を確認する際は、以下の手順で行いましょう。

1. ボンネットを開ける
2. 黄色の液が入っているタンクを探す
3. フルードが「MIN」や「LOWER」を下回っていないか確認する

上記の手順で量を確認し、MINやLOWERのラインより少なくなっていたら、ブレーキパッドが劣化している可能性があります。液量がMINを下回るなど、極端なフルードの低下はブレーキ性能に悪影響を及ぼすため、早めに点検することが大切です。

ブレーキパッド交換にかかる費用や時間の目安

ブレーキパッドの交換費用は、新しいパッドの費用と工賃の2つで構成されています。車種やパッドの種類、作業を依頼する業者によって金額は異なりますが、一般的に数千円から数万円が相場です。

経年劣化でパッドが摩耗すると、本来の摩擦力を発揮できなくなり、ブレーキ機能に支障が出る可能性があります。事前に交換にかかる費用相場や時間を確認しておきましょう。

ブレーキパッド交換にかかる費用

ブレーキパッドの交換にかかる費用は、新しいパッドの購入費用と工賃で決定します。交換する数にもよりますが、相場は数千円から数万円ほどです。左右両輪を交換する場合の費用を、車種別で以下にまとめてみま

車種	左右両輪の交換費用
軽自動車	7,000円ほど
普通車	8,000円ほど
ミニバン・高級車	1万5,000円～

費用は業者によって異なり、左右両輪で6,000円ほどで対応してくれる場合もあれば、1箇所5,000円ほどかかるケースもあります。高級車や輸入車は一般的な車種より高くなる傾向があるため、まずは見積もりを依頼し、どのくらいかかるか確認してみましょう。

ブレーキパッド交換にかかる時間

ブレーキパッドの交換にかかる時間は、一般的に30分～1時間ほどです。交換作業では、まずホイールを外し、ブレーキキャリパーを取り外してからパッドを取り替えます。作業自体は比較的簡単なため、別の箇所に問題がなければ比較的短時間で完了するでしょう。

ただし、選ぶ業者によっては待ち時間が発生する場合があります。例えば、大通り沿いにあるカー用品店は来客数が多い傾向にあるため、順番が回ってくるまでに時間がかかる可能性があるでしょう。スピーディーな交換作業を求める方は、事前予約がおすすめです。

ブレーキパッドの交換費用を安くするポイント

ブレーキパッドの交換費用を抑えるためにも、いくつかポイントを押さえておきましょう。車種や劣化具合によっては、予想以上の費用がかかる可能性があります。

できる範囲で自分で交換したり、車検と合わせて依頼したりと、工夫次第で費用を抑えられる場合があるでしょう。ここでは、交換費用を安くするポイントを4つご紹介します。

自分で交換する

ブレーキパッドを自分で交換すれば、工賃がかからないため費用を抑えることができます。ただし、ブレーキは車の安全に直結する重要な部品であり、交換には適切な工具や手順の理解が必要です。

また、道路運送車両法では、車の使用者には所有する車を、国が定める保安基準に適合するようにメンテナンスするよう義務付けられており、法律上、車の使用者自身で交換作業を行うこと自体は違法ではありません。

しかし、知識や経験がないまま作業を行うと、ブレーキの効きが悪くなったり、最悪の場合は事故につながるリスクもあります。不安がある方は、無理をせず業者に依頼するのが安全です。

なお、自分で交換した場合も点検整備記録簿に作業内容を記録しておくことが推奨されます。記録を残しておくことで、今後のメンテナンス管理や車の売却時に役立つ可能性があります。

参考：『道路運送車両法』

車検時に交換を依頼する

車検時に交換を依頼するのも、費用を抑える方法の一つです。パッド     の交換と車検を別々に依頼すると、リフトアップ やタイヤの脱着作業が重複し、その分工賃が上がる場合があります。車検と同時に交換すれば、これらの作業をまとめて行えるため、費用を節約できる可能性があるのです。

また、車検時は車に異常がないか総合的に点検するため、ブレーキパッドの摩耗だけでなく、他の部品の異常も早期に発見しやすくなります。車検の時期が近い方は、セットでの依頼を検討してみると良いでしょう。

カー用品店に依頼する

カー用品店に依頼するのも良い方法です。カー用品店では、ディーラーより工賃がリーズナブルに設定されている傾向があります。

ディーラーは純正品を用いたり、パッド以外の点検もサービス内容に含まれていたりするため、費用が高額になるケースがあります。純正品や整備の範囲にこだわりがないのであれば、カー用品店での交換がおすすめです。

ただし、カー用品店でもグレードが高い物を選べば費用が高くなる可能性があります。複数の店舗に見積もりを依頼し、費用を比較してみましょう。

ブレーキパッドを自分で購入して持ち込む

ブレーキパッドを自分で購入し、業者に持ち込んで交換を依頼する方法もあります。業者に部品の手配から交換作業まで依頼すると、物によっては費用が割高になるでしょう。

一方、自分でブレーキパッドを購入して持ち込めば、工賃のみでの依頼が可能です。近年では、低価格で高品質なパッドが多く販売されています。購入する際は、適合車種を確認しましょう。

ただし、業者によっては持ち込み自体を受け付けていない場合があるため、依頼前に確認しておくのが大切です。

ブレーキパッドの交換を依頼できる業者

前述の通り、車の使用者がブレーキパッドの交換を自力で行うことは法律上、違法ではありません。しかし、安全性の観点から、国の認証を受けた整備工場やディーラーなど、一定の基準を満たした業者に依頼することをおすすめします。

なお、カー用品店の中にも「認証工場」として登録されている店舗はありますが、すべての店舗が対象ではありません。依頼前に認証の有無を確認しておくことが大切です。

業者ごとの主な特徴は以下の通りです。

業者	特長	注意点
ディーラー	・メーカー純正品を使用し、高品質な整備が受けられる ・保証サービスも充実している	・費用が他の業者より割高になる ・混雑や予約状況によっては時間がかかる場合もある
カー用品店	・比較的リーズナブルに交換できる ・安価なパッドから高性能な物まで幅広い商品がそろっている	・適合車種を確認する必要がある ・ディーラーより整備スタッフの技量が下がる可能性がある
整備工場	・中間手数料をカットできる ・個人の要望や、持ち込みでの交換にも柔軟に対応してくれる傾向がある	・工場によって整備の質に差がある ・複雑な構造の車は交換を断られる可能性がある

純正品や整備の質にこだわるならディーラー、費用の安さを重視するならカー用品店がおすすめです。持ち込み交換を行いたい方は、整備工場への依頼を検討すると良いでしょう。

それぞれデメリットもあるため、何を重視するのか優先順位を決めた上で選択しましょう。

まとめ

パッドの劣化が進んでいても、通常は交換作業のみで対応可能です。ただし、ブレーキパッド以外にも足回りやエンジン周辺に複数の不具合が生じている場合や、走行距離・年式が進んでいる場合には、修理費が高額になることもあります。

そのようなときは、車全体の状態を見て、修理・買い替え・廃車といった選択肢を検討するのが現実的です。

廃車王では、故障車や古くなった車も0円以上で買い取りを行っており、部品の再利用や資源リサイクルに活用することで、持続可能な社会づくりに貢献しています。処分や乗り換えをご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。