ダウンサイジングターボの魅力とは？選ぶメリットとデメリットを解説

車を探していて「ダウンサイジングターボ」という言葉の存在を知り、どのような車なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。ダウンサイジングターボは近年の自動車業界で注目されているエンジンのひとつです。

そこでこの記事では、ダウンサイジングターボがどのようなエンジンなのかをはじめ、選ぶメリットやデメリットを紹介します。特徴を理解した上で、購入を検討しましょう。

ダウンサイジングターボ搭載車が増えてきている

自動車業界で注目されているダウンサイジングターボは「小さなエンジンで大きなパワー」を実現する仕組みです。従来のターボ技術をベースにしつつ、排気量を抑えることで燃費向上や環境性能を向上させています。

ターボとは？

ターボ（ターボチャージャー）は過給器とも呼ばれ、エンジンから出る排気の力を利用して空気を圧縮し、エンジン内に送り込む装置です。この装置がない従来の車は「NA車」（自然吸気エンジン）と呼び、大気圧の力のみで空気を取り込みます。

ターボエンジンは、排気の力で回転するタービンホイールと、それと一軸で繋がり吸気を圧縮するコンプレッサーホイールを備えており、コンプレッサーホイールがエンジンに大量の空気を送り込む構造です。空気が多く入ることで多くの燃料を燃焼させることが可能になり、より強力な爆発が起きてパワーが向上します。

ダウンサイジングターボエンジンの特徴

ダウンサイジングターボエンジンとは、従来のターボエンジンを小型化し、改良を施したものです。排気量を抑えることで基本的な燃料消費量を削減しつつ、ターボによる過給で不足するパワーを補います。

一般的なターボエンジンが速く走ることやより強いパワーを出力することを目的としていたのに対し、ダウンサイジングターボは燃費性能と環境性能の向上を追求しています。

排気量が小さくなったことで自動車税種別割の負担が軽減される他、低回転域から効果を発揮する小型ターボによって日常走行での扱いやすさが向上するといったメリットがあります。

例えば、排気量1.0L~2.0Lクラスのエンジンが出力するパワーは、同排気量の自然吸気エンジンの1.5倍~2倍程度です。環境性能と走行性能を両立させた現代的なエンジン設計といえるでしょう。

ダウンサイジングターボを選ぶメリットは？

ここでは、ダウンサイジングターボを選ぶ主なメリットとして、次の2つを解説します。

• 燃費性能が向上する
• 維持費の安さにつながる

ダウンサイジングターボ車が気になっている方は、この機会にチェックしておきましょう。

燃費性能が向上する

ダウンサイジングターボ車の最大の魅力は、その優れた燃費性能にあります。排気量の小さいエンジンにターボを組み合わせることで、エンジン自体の燃料消費量を抑えつつも、必要十分なパワーを確保しています。

自然吸気エンジンは高回転域でパワーを発揮するため、加速時には回転数を上げる必要があり、その分燃費が低下します。しかし、ダウンサイジングターボは低回転域から効率よく過給できるため、エンジン回転数を抑えたままでも十分なトルクを得られるのが特徴です。

ダウンサイジングターボは特に、高速道路など一定速度での巡航が多い環境に適しています。一方で、市街地など頻繁な加減速が必要な環境では、ハイブリッド車ほどの燃費向上は期待できません。

維持費の安さにつながる

ダウンサイジングターボエンジンを搭載した車両は、ランニングコストの面でも大きなメリットがあります。日本の自動車税種別割は排気量に応じて税額が決定されるため、小排気量化によって税負担を軽減できます。

例えば、1L~1.5Lのダウンサイジングターボ車と1.5L~2.0Lの自然吸気エンジン搭載車を比較すると、年間5,500円の差が生じます（2025年5月時点：令和元年10月1日以後初回新規登録の自家用乗用車の場合）。

さらに、高い燃費性能もコスト削減に直結します。エンジンの小排気量化により使用する燃料を削減できるだけでなく、ターボの効果で低回転域からトルクを得られるため、無駄な燃料消費を抑制できます。

外部サイト

自動車税種別割|自動車と税金|東京都主税局

ダウンサイジングターボのデメリット

ダウンサイジングターボエンジンにはメリットがある反面、次のようなデメリットも存在します。

• エンジンのパワーが弱いときがある
• オイル交換の頻度が多くなる

それでは詳しく解説します。

エンジンのパワーが弱いときがある

ダウンサイジングターボの特性として注意したいのは、発進直後などの低回転域でのパワー不足です。ターボエンジンはその特性上、エンジン回転数が上がり、排気圧力が高まって初めてその効果を発揮します。

ダウンサイジングターボでは、このターボラグは一般的なターボエンジンよりも抑えられていますが、完全に解消されているわけではありません。信号待ちをはじめとした発進時には、ターボが効き始めるまでの間、アクセルを踏み込んだ際の反応が遅れることがあります。

オイル交換の頻度が多くなる

ダウンサイジングターボエンジン搭載車は、メンテナンスの面で通常のエンジンとは異なる特徴があります。特に注意したいのは、オイル交換の頻度が高くなる点です。ターボチャージャーは高温・高回転で動作するため、エンジンオイルへの負担が大きくなります。

一般的に自然吸気エンジンが1万5,000kmまたは1年に1回の交換頻度であるのに対し、ターボエンジンでは5,000kmまたは6か月に1回の交換が必要です。シビアコンディションで使用するターボ車は、2,500kmまたは3か月に1回の頻度でオイルを交換しましょう。

ダウンサイジングターボ車を購入するか迷ったときのチェックポイント

ダウンサイジングターボが自分に合っているか判断する際には、いくつかチェックしたいポイントがあります。道路環境や使用状況を考慮し、適切な車種を選ぶことが大切です。

走行環境がダウンサイジングターボに適しているか

ダウンサイジングターボの効果を最大限に引き出すには、走行環境が大きく影響します。最適な走行環境は、高速道路や郊外の幹線道路など、一定速度を維持できる場所です。このような環境では、ターボが効率よく機能し、燃費性能と走行性能の向上が期待できます。

一方で、都市部のように信号が多く、頻繁な発進と停止を繰り返す環境では注意が必要です。ターボエンジンの特性上、エンジンの回転数が十分でなければ効果を得にくいため、ストップ＆ゴーが多い環境では、期待するほどの燃費性能や走行性能の向上は見込めないことがあります。

ハイブリッド車やNA車とどちらが適しているか

ハイブリッド車とダウンサイジングターボ車は、それぞれ異なる特性を持っています。ハイブリッド車は、市街地走行や頻繁な停止・発進がある環境で真価を発揮します。電気モーターにより、低速域でも十分なトルクを発揮できるためです。

一方、ダウンサイジングターボ車は、高速道路や郊外での長距離走行に適しています。一定速度を維持する環境ほど、その性能を効率よく発揮しやすいためです。

ターボラグに慣れる自信がない場合や、NAエンジンでも十分なパワーが得られると感じる場合は、ターボ車に比べて車両本体価格が安いNA車も併せて検討してみましょう。

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この目標達成は、2030年までに50万t以上のCO2削減を目指すもので、すでに2024年には年間2万4,097t、累計で25万8,269tものCO2削減に貢献しています。

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ダウンサイジングターボに関してよくある質問

ここでは、ダウンサイジングターボについてのよくある質問と回答を紹介します。小排気量のターボエンジンを採用している車種や燃費の良さが感じにくい状況など、購入にあたって気になる点を事前に確認しておきましょう。

ダウンサイジングターボ搭載車にはどのような車がありますか？

ダウンサイジングターボ搭載車にはいくつかの選択肢があります。トヨタのC-HRやカローラスポーツなどが代表例です。

燃費性能があまりよくないのはなぜですか？

ダウンサイジングターボは信号や渋滞が多い道路環境では、その真価を発揮しにくい一面があります。発進時にはターボが効きにくいため、頻繁な停止・発進を繰り返す場合には十分な効果を期待できません。

まとめ

ダウンサイジングターボは排気量の小さいエンジンにターボチャージャーを組み合わせることで、燃費向上と十分なパワーを両立させたエンジンです。燃費性能・走行性能の向上やランニングコストの軽減といったメリットがある一方、低回転域でのパワー不足などのデメリットも存在します。

購入を検討する際は、走行環境を考慮して自分に合った選択肢なのかよく考えることが大切です。自分に合った車を選ぶことで、より快適で楽しいカーライフを満喫できます。

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