車のシートを洗浄する方法は?手順や注意点をわかりやすく解説
車の基礎知識
洗浄力を重視するならプロに依頼した方が良いですが、汚れがそこまでひどくない場合は、自分で洗浄することもできます。
この記事では、車のシートの正しい洗浄手順や依頼できる業者、自分でクリーニングする際の注意点について分かりやすくご紹介します。プロに頼むか自分で行うか迷っている方に向けて、それぞれのメリットやデメリットもご紹介しているため、ぜひ参考にしてみましょう。
この記事で分かること
- 自分で洗浄する場合、適切な道具と正しい手順で作業を進める
- 洗浄力を重視するならプロに依頼、コストを抑えるなら自分で洗浄すると良い
- 業者に洗浄してもらう場合、費用や特徴、注意点などを考慮して業者を選ぶ必要がある
目次
自分で車のシートを洗浄する手順

車のシートは、日常的な掃除を怠ると汚れや埃が蓄積しやすい部分です。そのまま放置すると、嫌な臭いや頑固な染みの原因になる場合があります。
清潔で快適な車内環境を保つためには、正しい手順でメンテナンスすることが大切です。ここからは、自分で簡単にできるシート洗浄の手順をご紹介します。
必要な道具を準備する
まずは、以下の道具を準備しましょう。
- 重曹水
- 重曹水を入れるスプレーボトル
- ハンディ掃除機(スティック掃除機でも可)
- コロコロ
- 歯ブラシ
- タオル2枚
- シートクリーナー
- 中性洗剤
重曹水は、100ミリリットルのぬるま湯に小さじ1の重曹を加えたら完成です。吹きかけやすいようにスプレーボトルに移し替えましょう。
コロコロや掃除機は、シートの汚れや埃を除去するために使用します。ハンディタイプやスティックタイプが作業しやすくておすすめです。
専用のシートクリーナーや中性洗剤は、重曹水では落とせない汚れの除去に効果的です。中性洗剤は、1:20程度の割合で水に薄めておきましょう。
シートの砂や埃を掃き出す
道具が準備できたら、シートの隙間に入り込んだ砂や埃、お菓子のかすなどの汚れをかき出します。書き出したときに埃が舞うため、常に換気した状態で作業を進めるようにしましょう。
細かい箇所の汚れは、歯ブラシを使うと効率良くかき出せます。シートの縫い目などのブラシが入りにくい箇所の汚れは、綿棒を入れ込んで取ると良いでしょう。
シートの背もたれと座面は、特に汚れが蓄積しやすい箇所です。日頃から掃除をしていない場合、埃や砂が入り込んでいる場合があるため、隅々まで丁寧に汚れをかき出しましょう。
掃除機で吸い取る
掃除機を使ってシートの溝や隙間に残った汚れやごみを吸い取りましょう。
コード付きの掃除機よりも、コードレスのハンディタイプやスティックタイプのものを使うと、効率的に吸い取れます。掃除機をかけるときは、吸い口を隙間にしっかり当てるのがポイントです。細かい部分の汚れやごみは、先を小さいノズルに変えると掃除しやすくなります。
吸い残しが気になる場合は、コロコロを使うと良いでしょう。特に黒やグレーなどの暗い色のシートは汚れが目立ちにくいため、一見きれいに見えても髪の毛や細かな埃が残っていることがあります。
シートを水拭きする
シートの表面に付いた軽い汚れは、重曹水や水拭きで落とすことが可能です。まずは重曹水をスプレーボトルでシート全体に軽く吹きかけ、柔らかいタオルで拭き取ります。固い繊維の布はシートを傷つけるおそれがあるため、なるべく柔らかく吸水性のある布を使用しましょう。
重曹水が手元にない場合は、水拭きでも構いません。タオルを水で濡らし、よく絞ってから使用してください。水分が多すぎると、シート内部に湿気がこもり、カビや染みの原因になる可能性があります。
また、布シートには比較的使いやすい重曹水や中性洗剤でも、合皮や本革シートでは変色や劣化を招くおそれがあります。 専用のレザークリーナーを使用するか、必ず事前に目立たない場所でテストをしてから全体に使用するようにしましょう。
汚れがひどい場合は、市販のシートクリーナーや薄めた中性洗剤をタオルに含ませ、優しく拭き取ってください(中性洗剤は水で20倍程度に薄めるのが一般的です)。その後、乾いたタオルで水分をしっかりと拭き取ることを忘れずに行いましょう。
乾拭きして換気する
汚れ除去が完了したら、タオルで乾拭きしましょう。一見濡れていないように見えても、実際はシートに多くの水分が含まれています。しっかり拭き取らなければ、乾燥に時間がかかったり、染みやカビの原因になったりする場合があるため、細かい部分も忘れずに乾拭きしましょう。
最後は、効率良く乾かすために車のドアを全て開けて換気しましょう。天気が良ければ、2時間~3時間程度で乾きます。早く乾かしたい場合は、ドアを閉めて暖房をかけるのも効果的です。暖房は内気循環モードに設定し、風力を最大にして下向きにかけると、乾燥時間を短縮できます。
車のシート洗浄はプロに依頼すべき?
車のシートを洗浄する際、プロに依頼すべきか自分で掃除すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。どちらを選ぶかによって、かかる費用や仕上がり、手間のかかり方が異なります。それぞれの良い点や注意点を知った上で、目的や予算に合った方を選びましょう。
ここでは、プロの業者に依頼する場合と、自分で洗浄する場合のメリット・デメリットを比較していきます。
プロの業者に依頼するメリット・デメリット
業者に依頼するメリットは、自分では対応が難しい頑固な汚れや臭いを徹底的に除去してもらえる点です。
自宅でシート洗浄を行う場合、掃除機やタオル、歯ブラシなどの日用品で清掃を行います。しかし、業者は専用の機材で洗浄してくれるため、汚れの除去だけでなく、除菌や抗菌といった衛生面の対策も同時に行えます。
デメリットとしては、費用がかかる点です。車種やメニューによっては、1万円~2万円かかる可能性があります。
そこまで費用をかける必要がないと感じる方は、自分で洗浄した方がコストを抑えられるでしょう。
汚れをしっかり除去したい方や車内を常に清潔に保ちたい方は、プロへの依頼がおすすめです。
自分で洗浄するメリット・デメリット
自分で車のシートを洗浄する最大のメリットは、費用を抑えられる点です。市販のシートクリーナーやブラシ、リンサー(吸引式の掃除機)などの清掃グッズは、数千円程度で揃えることができ、必要なときに自宅で手軽に作業できます。また、自分の予定に合わせて作業できるため、車の使用スケジュールに合わせやすいのも利点です。
一方で、家庭用の道具では落としきれない汚れや臭いもあります。たとえば、ペットの粗相、飲食物の染み、カビ、体液などは、市販の製品だけでは十分に除去できないことがあります。
さらに、作業手順を誤ると、シートを傷めるリスクもあるため注意が必要です。たとえば、力を入れすぎたブラッシングによる摩擦や、濃すぎる洗剤の使用によって生地が変色・色落ちするケースもあります。
コストを抑えたい方や軽い汚れを落としたい場合は、自分での洗浄がおすすめですが、作業に不安がある方や衛生面を重視したい方は、無理をせずプロに依頼するのが安心です。
車のシート洗浄を依頼できる業者
車のシート洗浄の主な依頼先は、ガソリンスタンド、ディーラー、カークリーニング専門店、車用品専門店の4つです。
プロにシート洗浄を依頼すれば、自宅での掃除では落とし切れない頑固な汚れや臭いまで、しっかり除去してもらえます。業者ごとにサービス内容や特徴が異なるため、どのような点が違うのかを確認し、自分に合った依頼先を選びましょう。
ガソリンスタンド
軽い汚れを手軽に落としたい方には、ガソリンスタンドの車内清掃サービスが便利です。給油や洗車のついでに、車内の簡易清掃を依頼できる店舗もあり、短時間で車内をある程度きれいにすることができます。
ガソリンスタンドで提供されるのは、主に掃除機によるゴミの吸引やシート表面の拭き取りといった簡易的な清掃が中心で、本格的なシート洗浄(染み抜きや除菌、消臭など)には対応していない店舗が多い点に注意が必要です。
料金は比較的リーズナブルで、簡単な清掃であれば1,000円前後から依頼できる場合があります。ただし、すべてのガソリンスタンドが車内清掃に対応しているわけではないため、事前にサービス内容や予約の有無を確認しておくと安心です。
ディーラー
ディーラーに依頼する方法もあります。車種やシート素材に合わせた適切なクリーニングを受けられるため、品質を重視したい方に向いています。また、アフターサービスの一環として、車内まるごとクリーニングのようなメニューが用意されている場合もあります。シートだけでなく、ボディや窓ガラスなどの清掃もまとめて依頼したい方には便利です。
ただし、店舗によっては車内クリーニングを実施していない場合もあり、使用する洗浄機材や仕上がりの品質にも差があります。事前にどのような方法でクリーニングを行うのか、確認しておくと安心です。
カークリーニング専門店
カークリーニング専門店に依頼するのも一つの選択肢です。専門店ならではの技術と専用機材を使い、頑固な染みや臭い、カビやダニまで徹底的に除去してもらえます。
ガソリンスタンドと比べてメニューが豊富で、簡易的なものから車を預けて行う徹底的なクリーニングまで幅広く対応してくれるのもメリットです。洗浄力の高さを重視している方や、気になる箇所だけをクリーニングしたい方にも向いています。
シートの構造が複雑な輸入車などは、追加費用が発生する場合があるため、見積もりで確認しておきましょう。
車用品専門店
一部の車用品専門店では、シートクリーニングに対応している店舗があります。シートカバーやマットの販売・取り付けサービスとあわせて、車内清掃を実施しているケースもあり、店舗によってはシート洗浄を受け付けている場合があります。
短時間で完了する軽作業メニューから、時間をかけて丁寧に仕上げる本格的なメニューまで、内容はさまざまです。30分程度で済む簡易清掃であれば、買い物のついでに利用しやすいのが魅力です。
ただし、すべての店舗がシート洗浄サービスを提供しているわけではないため、事前に対応の有無を確認することが大切です。また、複数の箇所を同時に洗浄する場合や本格的なクリーニングを依頼する場合には、車を預けて作業してもらうことがあります。希望の仕上がりやスケジュールに合わせて、サービス内容を事前に確認しておきましょう。
業者別の費用相場
車のシートクリーニングを業者に依頼する場合、店舗によって費用が異なります。以下は、主な業者ごとの費用相場をまとめたものです。
| 業者 | 清掃内容 | 費用相場 |
|---|---|---|
| ガソリンスタンド | 車内清掃(窓ふき・掃除機) | 1千円前後 |
| 車内クリーニング | 3万円〜6万円 | |
| ディーラー | 車内クリーニング | 2万円〜3万円 |
| カークリーニング専門店 | 車内クリーニング | 2万円〜9万円 |
| 車用品専門店 | 車内クリーニング | 3万円〜5万円 |
簡単なクリーニングなら数千円で済む場合もあります。しかし、シートと併せて他の箇所も清掃すると、どの業者も費用が数万円になる傾向です。ただし、上記はあくまで相場のため、詳しい費用は店舗に問い合わせてみましょう。
シートの劣化や汚れが深刻なときは、無理にクリーニングするよりも、廃車や買い替えを選択した方がお得になるケースがあります。特に廃車買取業者では、事故車や水没車などの走行性能が悪い車でも0円以上で買い取ってくれる可能性があります。買取額は車両によって異なるため、一度査定を依頼すると良いでしょう。
まとめ
車のシートを自分で洗浄する際は、まず必要な道具を用意してから正しい手順で作業を進めましょう。汚れや臭いが落とし切れない場合、業者に洗浄してもらうのがおすすめです。
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