人身事故の違反点数はどのくらい?罰金など交通事故の処分や免停の目安
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車による人身事故で相手にけがを負わせてしまった場合、違反点数などのペナルティーが科せられます。違反点数が一定以上の数値に達した場合、免許停止などの処分を受けることもあるでしょう。
万が一のためにも、違反点数の内訳について知っておきたいという方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、人身事故における違反点数についてご紹介します。事故で損傷した車の取り扱いについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
違反点数の対象となる「事故」には人身事故と物損事故がある
交通事故には、人身事故と物損事故があります。死傷者が出た場合の交通事故は人身事故、器物の破損のみの場合は物損事故です。交通事故の場合、事故の内容によって対応が異なるため、事前にどのような違いがあるのかを押さえておきましょう。ここでは、人身事故と物損事故について詳しく解説します。
人に被害を与えた「人身事故」
人身事故とは、交通事故によって人に対する損害が生じた事故のことです。負傷者の診断書が警察で受理された場合、人身事故として扱われます。人身事故の加害者は、行政処分、刑事処分、民事処分の対象です。
免許における違反点数への加点、反則金、罰金刑などのペナルティーが科されるでしょう。悪質と判断された場合、実刑が下されるかもしれません。
物に被害を与えた「物損事故」
物損事故とは、交通事故によって物的損害のみが発生した事故のことです。人身事故とは異なり、人の体や生命に対する危害がないため、事故後の対応や手続きが異なります。警察への届け出は必要ですが、行政処分や刑事処分の対象とはなりません。
一般的に違反点数の加点、反則金、罰金などは科せられませんが、道路交通法の違反を伴う事故については加算されることもあります。
人身事故にならなくても違反点数が付く事故のケースとは?
物損事故の場合でも、適切に対応しなかったり故意に物損事故を起こしたりした場合、人身事故にならない場合でも違反点数が付くこともあるでしょう。
物損事故でも違反点数が付く主なケースは、当て逃げと器物損壊です。重いペナルティーが科されるケースもあるため、もしものときは最善の対応を心掛けましょう。ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。
警察へ報告しなかった「当て逃げ」
当て逃げは、交通事故後に危険防止措置義務と報告義務を果たさずに現場を立ち去る行為のことです。道路交通法では、交通事故を起こした運転者とその他の乗務員は、直ちに運転を停止して負傷者の救護や危険防止措置などを行う義務があります。
負傷者がいない物損事故の場合でも、事故発生後に現場から離れた場合は当て逃げとして扱われるのです。当て逃げと判断された場合、違反点数が7点加算されます。
他人の建造物を壊した「建造物損壊事故」
建造物損壊事故とは、他人の建造物などを破壊した場合に刑事処分の対象となる事故のことです。重大な過失により他人の建造物を損壊した場合、故意に他人の所有物を損壊した場合は、建造物損壊事故として扱われます。
建造物損壊事故を起こした場合の違反点数は基本点数に加え、付加点数の2点または3点です。ケースによっては、刑事責任を問われる可能性もあります。
物損事故から人身事故に変わるケースもある
交通事故のケースはさまざまです。車と歩行者が接触したものの、軽いけがで済んだというケースがあります。一方で、事故発生後から数時間が経過した後に痛みが出てくるというケースもあるでしょう。
物損事故の場合は一般的に刑事責任を問われませんが、物損事故から人身事故へ切り替わることはあるのです。ここでは、事故の切り替えが起こる主なケースについて解説します。
物損事故は運転免許の記録上で無事故になる場合がある
免許における「無事故」とは、人身事故がゼロという意味です。人的被害を伴わない物損事故や自損事故については、行政処分上では事故扱いとはなりません。免許の取り消しや停止処分の基礎となる点数計算において付加点数が付くのは、人身事故と建造物損壊事故の場合のみです。
ただし、当て逃げや建造物損壊などに該当する場合、行政処分や刑事処分が科せられます。また、行政処分や刑事処分が科せられないケースでも、場合によっては民事事件として扱われることもあるでしょう。
状況が変化したときには人身事故へ切り替えが行われる
物損事故と判断された場合でも、状況が変化すれば人身事故へ切り替えが可能です。例えば、事故後に被害者の体への影響が判明した場合、被害者は警察に申し立てが行えます。警察が受理した場合には、人身事故として捜査が再開されるのです。
警察は当事者や目撃者からの事情聴取を行い、供述調書と実況見分調書を作成します。2つの調書を元にして、起訴や不起訴の判断が下されるのです。
人身事故を起こすと違反点数の他に罰金や損害賠償が対象となる
人身事故は、運転免許の点数に関わる行政処分、罰金や懲役に関わる刑事処分、損害賠償や慰謝料に関わる民事処分の対象です。
高額な損害賠償を請求されたり重い罰金が科せられたりする場合もあり、ケースによっては懲役刑が下されることもあるでしょう。ここでは、それぞれの処分について詳しく解説します。
運転免許の点数に関わる「行政処分」
運転免許の点数に関わる行政処分は、公安委員会による道路交通の安全確保を目的とした処分です。違反点数が一定の基準に達すると、免許の取り消しや停止などの処分が下されます。
行政処分を受ける場合、反則金を期日までに支払わなければなりません。90日以上の免許停止・取り消し処分に該当する場合は、「意見の聴取」の通知が届き、公安委員会に対して弁明する機会が与えられます。行政処分の内容に不服がある場合、不服申立て手続きや行政訴訟などが可能です。
罰金や懲役に関わる「刑事処分」
人身事故を起こした場合、刑事処分として罰金刑、懲役刑、禁固刑などの刑罰が科せられます。特に死傷事故に対しては厳罰化が進んでおり、重い刑罰が下されることもあるでしょう。
刑事処分は検察官が起訴し、刑事裁判によって刑事罰が言い渡されます。刑事罰は社会から隔離されて自由が制限されたり、その後の社会生活に影響を与えたりするのが特徴です。
損害賠償や慰謝料に関わる「民事処分」
民事処分の目的は、被害者の被った損害の補償です。損害には、負傷や死亡に対する人身損害、自動車などの物的損害が含まれます。民事処分における主な保証は、治療費、修理費、休業損害、逸失利益、慰謝料などです。後遺障害が残った場合には、多額の賠償金額が生じることもあります。
自賠責保険で賠償の一部はカバーされますが、不足分は加害者自身が負担しなければなりません。加入している任意保険で不足分のカバーをするなどの対応が必要となります。
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人身事故による行政処分の点数はどのように決まる?
行政処分の点数制度は、違反の内容によって点数が異なります。基礎点数と付加点数に分類されており、基礎点数については一般違反行為と特定違反行為に分けられている仕組みです。
違反点数は累積される仕組みになっており、違反を繰り返した場合には重いペナルティーが下されるでしょう。ここでは、人身事故による行政処分の点数について詳しく解説します。
点数制度には基礎点数と付加点数がある
交通事故における点数の構成は、基礎点数と付加点数の2つです。それぞれの点数を合計して違反点数が決まります。
基礎点数とは、違反行為ごとに決まる点数のことです。基礎点数には、信号無視や通行禁止違反などがあります。一方で付加点数とは、運転者の不注意によって決まる点数のことです。基礎点数に付加点数が加算され、合計点数に応じて処分が決まる仕組みです。
基礎点数には一般違反行為と特定違反行為がある
基礎点数には、危険性の低い一般違反行為と危険性や悪質性の高い特定違反行為に分けられます。一般違反行為の点数構成は、1点~25点です。全部で11のカテゴリーに分かれています。
一方で特定違反行為は、最低でも35点です。一般違反行為よりも高い点数構成になっており、故意による運転殺人やひき逃げ、酒酔い運転などが特定違反行為に該当します。一般違反行為の中で最も重い点数が加算されるのは、酒気帯び運転と過労運転です。それぞれに、25点が加算されます。
付加点数の最大値は死亡事故の20点
交通事故による付加点数は、被害者の負傷程度と加害者の不注意の程度によって決定される仕組みです。事故の重大性と加害者の責任の度合いを反映するように設定されています。
例えば、加害者の不注意により発生した死亡事故の場合の付加点数は20点です。治療期間が3か月以上または後遺障害を伴う傷害事故の場合、加害者の不注意により発生したときの違反点数は13点、治療期間が15日未満の場合は3点と付加点数が変化します。
関連記事人身事故で免許が取り消しになる点数とは?
違反点数の累計が一定の点数になると、免許停止や免許取り消しなどの処分が下されます。免許停止処分の場合、一定期間内の運転が禁止です。
一方で、免許取り消しの処分が下された場合、運転免許証が没収されます。再び運転するには、免許の再取得が必要です。ここでは、人身事故で免許停止や免許取り消しになる点数について解説します。
免許停止の点数
免許停止処分は、累積点数と前歴に基づいて決定されます。前歴がない場合、累積点数が6点~8点で30日間、9点~11点で60日間、12点~14点で90日間の免許停止処分です。
前歴がある場合は、より少ない累積点数で免許停止処分が下されます。前歴が1回ある場合、4点~5点で60日間、6点~7点で90日間、8点~9点で120日間の免許停止処分です。例外として、免許停止期間を除く免許期間のうち1年以上、無事故・無違反を継続した場合には違反点数が累積しなくなるなどの特例があります。
関連記事免許取り消しの点数
免許取り消しの処分が下される累積点数は、違反の前歴がない場合で15点以上です。欠格期間は違反内容によって異なり、一般違反行為と特定違反行為で処分基準が区別されています。
一般違反行為で前歴がない場合、15点~24点の違反点数で1年の欠格期間です。25点~34点で2年の欠格期間、35点~39点で3年、40点~44点で4年の欠格期間となっています。免許の取り消し歴がある場合には欠格期間がさらに延長され、最長で10年に及ぶこともあるでしょう。
関連記事人身事故で損傷した車はどうする?
人身事故を起こしたときは、冷静な対応が重要です。想定外の出来事でパニックになってしまう人もいますが、事故現場から離れないようにしましょう。
危険防止措置や事故精査を終えた後は、事故車の処分について検討する必要があります。ここでは、人身事故が起きたときの対応や事故車を手放す際の選択肢についてまとめました。
救護などを終えてから修理などを検討しよう
人身事故を起こした場合、被害者の救護が最優先事項です。加害者には負傷者の救護義務があり、被害者の安全確保と適切な医療機関への搬送が求められます。ケースによっては、応急処置を施す必要があるでしょう。救急や警察などへ速やかに通報する必要があります。保険会社についても、できる限り早い段階で連絡しましょう。
救護が終わった後、警察から事情聴取を求められるかもしれません。全ての事故対応を終えたら現場から車を移動し、車の修理や処分について検討します。
車を手放すなら下取りや買取が選択肢になる
事故車を手放す際の選択肢は、ディーラーの下取り、中古車買取業者や廃車買取業者での買取などです。各業者によって、査定金額やサービス内容などが異なるため、車の状態に合わせて選びましょう。
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人身事故での点数についてよくある質問
事故で加算される違反点数は種類や被害の程度によって異なるため、不安に思うかもしれません。万が一のときに備えて、事前に疑問について解消しておきましょう。ここでは、人身事故での点数についてのよくある質問を紹介します。
人身事故の点数が残る期間はどのくらい?
人身事故の点数が残る期間は3年です。特例に該当する場合には、1年の経過でリセットされます。ただし、期間内に新たな違反があった場合、累積されるので注意が必要です。免許更新時には、過去5年間の違反歴や事故歴が判断されます。
人身事故で罰金が科されないケースはある?
被害者が軽いけがで済んだ場合、検察官は不起訴処分にするかもしれません。不起訴と判断した場合、罰金なしで扱われる可能性があります。ただし、罰金が科されない場合でも、状況によっては損害賠償金が発生する可能性があるでしょう。
刑事処分に関する通知はどのように届けられる?
人身事故を起こした場合、刑事処分が下ることがあるでしょう。裁判所からの呼出状などが届く可能性がありますが、刑事処分の通知時期に目安はありません。事件の複雑さによって異なり、時期を予測することは難しいのが実情です。刑事処分の通知時期は、事件捜査の進捗状況に左右されます。
まとめ
違反点数の対象になる事故は、人身事故と物損事故の2つです。物損事故については、特定のケースにおいて違反点数が加算されます。免許停止の処分は、前歴がない場合で6点以上です。累積点数が15点に達した場合、免許取り消しの処分が下されます。
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