車はいらない、必要ない!若者のマイカー離れ

2018年1月30日 廃車の予備知識

テレビなどのメディアで、幾度となく「若者の○○離れ」と声高に叫ばれた時期がありました。数十年前の若者が、当たり前のように利用していたものを、今の若者は利用しない現状はよろしくない、そのような報道や新聞記事がいくつも流れていました。その中に「若者のマイカー離れ」も入っており、現在も進行しています。

しかし、本当に若者の関心は車から離れてしまったのでしょうか。今回は「若者のマイカー離れ」について様々な観点から紐解いてみましょう。

 

車離れといわれている背景について

「○○離れ」と言われる原因には必ず、過去の栄華があります。「車離れ」においても同様で、昔は車を持つことが一つのステータスでした。しかし、現代では「車を持つこと」に魅力を感じる人は少なくなっているようです。その背景についてみていきましょう。

 

「○○離れ」という世代が若者だった時代

「若者の○○離れが深刻」と感じ、新聞やメディアで取り上げる人のほとんどが、40~50代の人達です。その人たちが20代の頃は今から20~30年前、まさにバブル期が始まり終わった頃、日本の消費がとても活発だった時期でもあります。

このバブル期には、20代前半の若者が5年ローンで300万円ほどの新車を購入することも珍しい話ではなかったようです。果たしてこの時代を基準に、現代の消費問題を比較してよいものでしょうか?むしろ、今の40~50代の人達が20代だったバブル期の感覚が特別だったと言えるかもしれません。

 

今の20代の年収にマイカーは見合わない買い物

調査によれば、2015年の20代の平均年収は349万円だったそうです。(転職サービスDODA「平均年収データ2015年」(対象人数22万人))また、20代全体で見れば、年収300万円台は37.8%、300万円未満は31.8%と、20代の約70%が年収400万円未満ということになります。

では年収300万円だと、手取りは幾らぐらいになるのでしょうか?ボーナスの支給の有無や回数によって変動しますが、おおよそ15万円~20万円が手取り金額として支給されます。

仮に一人暮らしをしていた場合の1か月の費用を見てみましょう。

・家賃  5~8万円
・光熱費 1万円
・通信費 1万円
・食費  4万円
・雑費  1万円

一番の費用はやはり家賃でしょう。地域によって変動しますが、5~8万円が一人暮らしの際の相場とされています。

光熱費が合計で1万円ほどと仮定し、携帯電話やインターネットなどを契約している場合は通信費にも1万円ほどかかります。食費は、1食あたり500円と計算して3食×30日で45,000円掛かりますが、今回は4万円と仮定します。最後に雑費、日用品などの出費を1万円ほどと仮定しましょう。

以上から月に必要な費用が12~15万円という結果が出てきます。

手取り15万円だとすれば、月に自由に使えるお金は…

3万円~0円です。

 

家賃の安いところに住んだり、食事を減らしたりと、多少は費用を抑えることはできるかもしれませんが、この状況で果たして車を買おうと考えるでしょうか。車は買うだけでは終わりません。ガソリン代、毎月の駐車場代、保険料、2年に1回の車検代、タイヤなどの消耗品代、自動車税など、年間だけでも30万円以上が掛かります。駐車場代は月ごとに発生しますから、先の月の費用に追加で1万円ほどが上乗せされます。

将来の貯金、支払われるか最早疑問な年金などを考えれば、少しでも貯蓄を増やしたいと思い、20代で無理してまで車を買う必要性は無いように感じます。

実際に、20~30代の「車を欲しい人」と「車はいらない人」は見事に半分に割れているそうです。また、欲しいと思っていても買わない人も多く、その理由のトップ3に「維持費がもったいない」「今すぐ買う必要性がない」「購入費用が高い」があります。

維持費や購入費用がトップにある以上、車離れの大きな要因には若者の経済的理由が間違いなく存在します。

 

国政と自動車メーカーの事情

では、国や自動車メーカーは果たして若者の車離れに真剣に向き合ったのでしょうか?国産車は数十年前、500万円もすれば充分な高級車でした。100万円以下でもいい車が数多くありました。しかし、最近の車は衝突回避、全方位モニタなど様々な機能が搭載され、技術の向上は感じますが、それに伴い値段が上がり続けています。安さが売りだったはずの軽自動車も、規格が変わり品質向上とともに値段も上がり、最近では200万円以上のものが登場しています。普通車に至っては、上限が1000万円を超えるものまで数多く登場しているのが現状です。

しかし、市場が値上げをしているなか、日本人の給料はそれに見合うほどに増えたのでしょうか?データによれば1993年~1999年の平均年収は460万円でした。ところが、2008年~2016年の平均年収は416万円にまで下がっています。また、平均年収はあくまで全体の平均値で、20代30代の平均年収はこの金額に満たない人の方が多いのが現状です。このように、「物価はそこまで変わっていない」「車の物価は上がり続けている」「年収は減った」という厳しい現実があります。景気が良くなければ消費が滞るのはどの世代でも同じです。

新車が無理なら中古車を、と安価な中古車を買ったとしても、車齢13年を超えた車は税金を引き上げる国の事情も追い打ちになり、余計に若者を車から引き離してしまっているのかもしれません。

自動車メーカーは、常に新車を売らなければならない企業としての目的があり、国は税収を確保しなければなりません。その結果として、国は人口減少の中でも税金の確保を、自動車メーカーは少ない台数でも売り上げ出す為、と施策を行いましたが、それが今の若者には決して優しくなかったのは間違いありません。このような背景も相まって、若者は車から離れ、車メーカーもまた、若者から離れてしまったのではないでしょうか。

 

 カーシェアリング・レンタカー

他にも、マイカーを持つ魅力が少なくなった背景には、レンタカーの充実やカーシェアリングなどの新しいシステムの登場も少なからず影響しているようです。免許は持っているが車を持っていない人には、乗る回数によってはレンタカーやカーシェアリングの方がお得になるケースもあり注目を集めています。

カーシェアリングは、都心部を中心として徐々に定着してきています。「休日にしか乗らない」「短時間しか乗らない」などの都心の要望に応えたものと言えます。カーシェアリングは、レンタカーよりも利用時間が細かく設定でき、月額基本料金と乗車時間にお金は掛かりますが、給油などの費用はすべて料金内に含まれ、設定金額も高くない為、利用者は年々増え続けています。

しかし、「指定した時間に返却」「長期利用は出来ない」「確実に予約できるとは限らない」などの利用者が増えたがゆえの問題や、「前に使った人がゴミをそのままにしていた」「前の人がライトを付けっぱなしで、乗ろうとしたらバッテリーが上がっていた」等の、乗る人のモラルや見落としによるトラブルは少なからず発生しているようです。手軽に利用できる半面、デメリットも存在しているので必ずしも便利とは言い切れないところがあるのが実情のようです。

基本24時間以内の利用が原則のカーシェアリングに対して、数日に渡って利用する場合は、レンタカーが利用されているようです。こちらも「年に1回の旅行を車で行きたい」「旅行先の移動手段は車がいい」など車を持たず、維持費もかからないため、利用頻度によってはマイカーを持つよりも安くなります。

このように車が欲しくても、維持費や購入費用がネックで買わない若者のニーズを満たすサービスが定着してきたこともあり、無理に車を買う必要の無い時代になってきています。

 

移動手段の多様化による都内での「免許」の必要性

若者が「車をすぐに持つ必要がない」と考える背景には経済的な理由があることは間違いありません。ですが、お金だけが車離れの原因なのでしょうか?

 

 免許は身分証代わり

「車離れ」の実情は地方よりも都内が顕著に表れています。東京都内の20代の免許保有率は1991年には74.2%でしたが、2017年の新成人における免許保有率は56%だったそうです。「車離れ」よりは「免許離れ」と言うべきでしょうか。

しかし、都内に住んでいて車を運転する機会がどれだけあるのでしょう?東京都内では駐車場代も高く、都内の相場も3~5万円と家賃に次いで高い費用になります。車で移動しようにも道が混雑していたり、コインパーキング代も高く、電車で移動したほうが安くて早いのが現実です。

また、車でなければ持って帰れないような大きな買い物も、今ではネットで注文すれば、送料無料で早ければその日のうちに届きます。旅行も途中まで鉄道を使い、目的地でタクシーを使えば、往復の渋滞を気にする必要もありません。

このように、都内の事情を考慮すれば、免許を持っていても運転する機会は少なくなるでしょう。実際に「免許は持っているがペーパードライバー」「運転免許証は身分証代わり」という人は増えているようです。

自動車免許を取得するためには30万円近くの費用が掛かります。実際に車に乗るメリットがなく、代わりの手段がある都心部の若者は、30万円を支払って運転免許証を取得する必要性を感じていないのかもしれません。

 

 公共交通機関の充実

地方に住んでいれば車は移動の要です。鉄道は都会のように本数もなく、行ける場所も限られます。バスは鉄道よりもさらに本数が少ないこともあり、どこかに行くならば車での移動が最も効率的です。

しかし、東京や名古屋、大阪、京都など、鉄道やバスなどの公共交通機関が充分に整備されている地域においては、車で移動するメリットはあまりないのです。鉄道であれば渋滞による遅れは生じませんし、バスを使えば、駐車場を探し回る必要もありません。京都では市バスなどの遅れを減らすため、マイカーでの通行を制限している区域もあります。

人口が地方から都会に集中し始めている状況では、車が必要な地方の若者よりも、車を必要としない都会の若者のほうが比率としても多いのかもしれません。

 

時代の変化による趣味の多様化

「若者の○○離れ」はもともと政府が発信したものです。きっかけは、数十年前には当たり前だったことが現代では薄れている事への危機感だったと思います。しかしこれは、全世代に対して言えることで、価値観は時代とともに変わります。ところが、バブル世代の人から「車を持っていないのはカッコ悪い、ありえない」と言われる若者は少なからずいるようです。彼らが若者だった時代は車を持つことは大きな憧れで、無理してでも持つものという認識なのでしょう。

しかし、趣味趣向が多様化した現代の若者においては、その認識が受け入れられないのも無理はありません。

 

インターネットの普及

1990年代、携帯電話やインターネットはまだまだ発展途上にあり、生活必需品ではありませんでした。出先での電話は公衆電話から出来ましたし、日本のインターネット人口普及率は10%程度でした。

しかし、2018年現在では社会人に留まらず、携帯電話とインターネットはほぼ生活必需品になりつつあります。約30年前の若者が「車を持っていないのはカッコ悪い」と認識していたように、現代の若者では「スマートフォンを持っていないのはカッコ悪い」に取って代わりました。インターネットの普及により若者の欲しいもの、必要なものの優先順位が変化しているのは確かです。

 

個人趣味・インドア化

インターネットが普及し、2000年代初頭には人口普及率は70%を突破しました。ブログサービスや、動画共有サービスなどが登場し、個人趣味の時代が加速しました。その流れは未だに進化し続け、今では若者の興味関心はアニメや音楽、ゲームなどの個人で楽しむものが上位にランクインしています。スマートフォンアプリやSNSの普及によって、どこでも誰とでもコミュニケーションが可能になった今、わざわざ外に出かけるアウトドア趣味自体が縮小し、車への興味や執着が薄れているのかもしれません。

 

まとめ

「若者の車離れ」の原因は誰にあるわけでもなく、価値観の違い、経済的な理由、サービスの発展など様々な要因が重なった結果に起こった「時代の流れ」ではないでしょうか。

一昔前は、車を持つことが一つのステータスであったことは確かですが、この考え方を若者に押し付け「マイカー離れ」と言うこと自体が、もはや時代錯誤なのかもしれません。自動車業界はこの現実を受け入れ、今後の対策を考えることが重要になっています。

若者の車離れは、逆にバブル期の人達へ影響を及ぼす要因となることも考えられます。古い車や不要な車を手放して、必要なときに必要な車を調達するのがスタンダートになるときは、そう遠い未来ではないかも知れません。

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